捕獲法による母比率推定と信頼区間の計算方法

大学数学

この問題は、捕獲と再捕獲による母比率(Aの個体数)を推定する統計的な問題です。この記事では、問題の解法をわかりやすく解説し、信頼区間を求める方法について説明します。

問題の設定

問題では、ある場所で増殖するAの個体数を推定するために、捕獲・マーク・再捕獲の方法が使われています。以下の手順が与えられています。

  • 最初に300匹のAを捕まえ、マークをつけて逃がす
  • 後日100匹のAを再捕獲し、そのうち20匹にマークがついていた

このデータから、Aの母比率とその信頼区間を求める問題です。

母比率pの90%信頼区間を求める(問題1)

まず、問題1ではマークのついたAの母比率pの90%信頼区間を求めます。ここでは、以下の手順で計算を行います。

  • マークがついたAの割合は、再捕獲した100匹のうち20匹にマークがついていたので、p-hat = 20/100 = 0.2となります。
  • p-hatの信頼区間を求めるために、標準誤差を計算します。標準誤差は、SE = sqrt[(p-hat * (1 – p-hat)) / n]で求められます。
  • n = 100(再捕獲したAの数)、p-hat = 0.2であるため、SEを計算します。
  • 信頼区間は、p-hat ± z(0.10) * SEです。z(0.10) = 1.645(90%信頼区間の場合)を使って、最終的に信頼区間を計算します。

生息するAの総数についての90%信頼区間を求める(問題2)

次に、問題2では、推定された母比率pを利用して、Aの総数を求めます。ここでは、推定された母比率p = 300/Aの総数を使います。具体的な手順は次の通りです。

  • 問題1で求めたpの信頼区間を利用して、Aの総数の信頼区間を求めます。
  • 総数の推定値は、300 / p-hat であり、信頼区間もこの式に基づいて計算します。
  • 信頼区間を求めるために、信頼区間の境界値(p-hat ± z(0.10) * SE)を用い、同様の方法でAの総数の範囲を求めます。

計算例

具体的な計算を行うと、まず、標準誤差を計算します。

SE = sqrt[(0.2 * (1 – 0.2)) / 100] = sqrt[0.16 / 100] = sqrt[0.0016] = 0.04

次に、信頼区間を求めます。

0.2 ± 1.645 * 0.04 = 0.2 ± 0.0658

したがって、pの信頼区間は、[0.1342, 0.2658]です。

これを使用して、Aの総数の信頼区間を計算します。

300 / 0.2658 = 1128.94

300 / 0.1342 = 2231.22

したがって、Aの総数の信頼区間は、[1128.94, 2231.22]となります。

まとめ

この問題では、捕獲と再捕獲の方法を使って、Aの母比率とその信頼区間、さらに生息するAの総数の信頼区間を求めました。これにより、統計的手法を使って動物の生息数を推定する方法を学ぶことができます。

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