常時インバータ給電方式のUPS(無停電電源装置)は、停電や電圧の異常から機器を保護するために使用されますが、雷の直撃に対しても同様に効果があるのでしょうか。この記事では、UPSが雷の直撃による機器への被害を防ぐためにどのように機能するのか、またその限界について詳しく解説します。
常時インバータ給電方式UPSの基本的な機能
常時インバータ給電方式のUPSは、主に停電や瞬断から機器を保護するために設計されています。UPSは、通常、商用電源からの電力供給が停止した場合に、内蔵のバッテリーを使って一時的に電力を供給し、接続された機器を安全にシャットダウンさせるか、引き続き電力を供給します。
このタイプのUPSは、過電圧や低電圧の問題にも対応しますが、雷の直撃に対してどこまでの効果を発揮できるのかが問題となります。
雷による電圧スパイクとその影響
雷が直接機器に影響を与える場合、最も一般的な問題は「サージ(電圧スパイク)」です。雷が近くの電力線に落ちると、その強力な電流が電力網に伝わり、瞬時に非常に高い電圧を発生させます。このスパイクは、直接的な接続がある機器を破壊する可能性があります。
UPSは、過電圧保護機能を持つものもありますが、雷の直撃による極端なサージには限界があります。特に、UPSの設計において雷の直撃を完全に防ぐための対策が施されていない場合、高電圧に耐えられず、内部回路が破損する可能性が高くなります。
UPSによる雷対策の限界と補完策
常時インバータ給電方式のUPSは、雷による電力網の障害に対してはある程度の保護を提供しますが、直撃に対して完全に防ぐことはできません。雷の直撃を完全に防ぐためには、UPSの設置だけでなく、雷サージプロテクタや避雷設備を追加することが重要です。
雷サージプロテクタは、雷による電圧スパイクが機器に到達する前にその電圧を吸収・分散させる役割を持ち、UPSと組み合わせることでより強力な保護が実現します。これにより、雷による直撃を受けた場合でも機器へのダメージを軽減できます。
まとめ
常時インバータ給電方式のUPSは、停電や低電圧、過電圧から機器を保護するための優れた装置ですが、雷の直撃に対する保護には限界があります。雷による電圧スパイクを完全に防ぐためには、UPSだけでなく雷サージプロテクタや避雷設備を併用することが望ましいです。これらを適切に組み合わせることで、雷の影響から機器をより効果的に守ることができます。
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