この問題はミクロ経済学における企業の費用関数に関するものです。以下では、与えられた総費用関数に基づいて、固定費用や可変費用、限界費用、平均費用などを求める方法を詳しく解説します。
1. 固定費用と可変費用を求める
総費用関数がc(y)=y³−30y²+400y+4000で与えられている場合、固定費用は生産量yがゼロのときの総費用を指します。したがって、y=0を代入して計算します。
c(0) = 0³ − 30(0)² + 400(0) + 4000 = 4000
したがって、固定費用は4000となり、可変費用は生産量に依存する部分です。可変費用は総費用から固定費用を引いたものになります。
2. 限界費用・平均費用・平均可変費用を求める
限界費用(MC)は、総費用関数の1階微分で求めることができます。
MC = d(c(y))/dy = 3y² – 60y + 400
次に、平均費用(AC)は総費用を生産量で割ったものです。
AC = c(y) / y = (y³ − 30y² + 400y + 4000) / y = y² − 30y + 400 + 4000/y
平均可変費用(AVC)は可変費用を生産量で割ったものです。
AVC = (y³ − 30y² + 400y) / y = y² − 30y + 400
3. 損益分岐点と操業停止点を求める
損益分岐点は、企業の総収入と総費用が等しくなる点です。損益分岐点を求めるためには、総収入TRを価格pと生産量yで表し、TR = p * yであることを考えます。操業停止点は、平均可変費用と価格が等しくなる点で、ここで企業は生産を停止します。
4. 限界費用と平均費用の交点で決まる価格p
限界費用と平均費用が交差する点での価格をpとした場合、pより現在の価格が高ければ、企業は利益を上げており、pより価格が低ければ、企業は損失を出していることになります。この理論は企業の短期的な生産意思決定に重要です。
5. 供給関数を求める
供給関数は、企業がどの価格でどれだけ生産するかを示します。通常、供給関数は限界費用と価格が等しい点から得られます。企業は価格が限界費用を上回る場合に供給を行い、供給量は限界費用に依存します。
まとめ
この問題を通じて、企業の費用関数や損益分岐点、供給関数に関連する重要な概念を理解することができました。特に、限界費用、平均費用、平均可変費用の求め方やそれらがどのように企業の意思決定に影響するかについても深く掘り下げて学ぶことができます。
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