ベクトルの計算で、絶対値の二乗や内積を扱う問題はよくあります。特に、ベクトルの和を考えたとき、なぜ「2ab」の項に絶対値が付かないのかという疑問が湧くことがあります。この記事では、ベクトルの計算式とその意味を解説し、なぜ2abに絶対値が付かないのかを理解できるように説明します。
ベクトルの和と絶対値の関係
ベクトルaとbの和を考えるとき、その絶対値の二乗は次のように表されます。
|a + b|^2 = |a|^2 + 2a・b + |b|^2
ここで、a・bはaとbの内積を示します。この式では、絶対値を二乗した場合、内積の部分が重要です。この2a・bの項に絶対値が付かない理由について、以下で説明します。
内積と絶対値の違い
絶対値は、ベクトルの「大きさ」を示す量です。一方、内積a・bは、2つのベクトルがどれだけ「一致」しているかを示す量です。内積の計算結果はスカラー(数値)であり、その結果自体に絶対値を付ける必要はありません。例えば、a・bが正であれば、2a・bはそのままで正の値として扱われ、絶対値を取る必要はありません。
また、ベクトルの和の絶対値の二乗式では、a・bの内積が重要な役割を果たします。もし、内積の部分に絶対値を加えた場合、計算が不自然なものとなり、ベクトルの「大きさ」や「方向」の情報が不正確になります。
2abの項に絶対値が付かない理由
「2ab」という項には絶対値が付かない理由は、これは単なる内積の計算だからです。内積a・bは、ベクトルaとベクトルbがなす角度とその大きさに依存する量であり、ベクトルの和の絶対値の計算においてはそのままの値を使用します。
絶対値をつけるのは、ベクトルの「大きさ」を示す場合です。例えば、|a|や|b|のように大きさを示す場合には絶対値が使われますが、内積に絶対値は不要です。
まとめ
ベクトルの計算において、|a + b|^2 = |a|^2 + 2a・b + |b|^2という式において、2a・bには絶対値が付かない理由は、これは内積の結果だからです。内積自体はベクトルの「方向」や「一致度」を示すものであり、絶対値をつける必要はありません。ベクトルの「大きさ」に関しては、|a|や|b|のように絶対値を使いますが、内積にはそれを付けないことが自然な形となります。
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