厚肉円筒の応力解析:半径方向の力の釣り合いと応力関数の導出

工学

厚肉円筒に内外圧が作用する場合、その内部の応力状態を解析することは、圧力容器やパイプラインなどの設計において重要です。特に、半径方向の力の釣り合い方程式の導出と応力関数の求め方は、材料力学の基本的な課題です。以下に、これらの解析手順を詳述します。

半径方向の力の釣り合い方程式の導出

厚肉円筒内の微小要素に作用する力の釣り合いを考えます。極座標系で半径方向(r方向)と円周方向(θ方向)の応力をσr、σθとし、微小要素の面積をdr×dθとします。内圧Pと外圧P2が作用する場合、半径方向の力の釣り合いは以下のように表されます。

式(1): σr × (r + dr) × dθ – σr × r × dθ = P × (r + dr) × dθ – P2 × r × dθ

この式を整理すると、半径方向の応力σrの分布が得られます。

内外周の表面応力状態の求め方

内周(r = rin)および外周(r = rout)の表面応力状態は、上記の応力関数を用いて求めることができます。具体的には、応力関数F(r)を以下のように定義します。

式(2): F(r) = σr × r

この関数を用いて、内外周での応力状態を求めることができます。

応力関数F(r)の定数A、B、C、Dの決定

応力関数F(r)を以下のように表します。

式(3): F(r) = A × r + B × r^(-1)

この式において、定数AとBは境界条件を用いて決定します。具体的には、内外周での応力状態を式(2)に代入し、AとBを求めます。

まとめ

厚肉円筒の応力解析では、半径方向の力の釣り合い方程式を導出し、応力関数を用いて内外周の表面応力状態を求めることが基本的な手順です。これらの解析は、圧力容器やパイプラインの設計において、安全性を確保するために不可欠です。

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