今回の問題は、(1-x)の-3乗を二項定理を使って展開し、シグマ記号を使わずに表現する方法について解説します。さらに、展開の結果として3項以上の項と、一般項を求める方法を順を追って説明します。
❶ 二項定理を使った展開の準備
二項定理は、(a + b)^n の形の式を展開するための公式です。この問題では、(1 – x) の -3乗を展開することが求められています。まず、この式は (a + b)^n の形に合わせるために a = 1, b = -x, n = -3 と見ることができます。
二項定理によれば、(a + b)^n の展開式は次のようになります。
(a + b)^n = Σ (nCr) * a^(n-r) * b^r
ここで、nCr は「n の中から r を選ぶ組み合わせの数」であり、a^(n-r) と b^r はそれぞれ a と b のべき乗です。
❷ (1 – x) の -3乗を展開する
この問題において、a = 1、b = -x、n = -3 ですので、二項定理を用いて展開すると。
(1 – x)^(-3) = Σ (-3Cr) * 1^(-3-r) * (-x)^r
この式に従って、実際に展開を行います。
最初の項(r = 0)の場合。
(-3C0) * 1^(-3-0) * (-x)^0 = 1
次に、r = 1の場合。
(-3C1) * 1^(-3-1) * (-x)^1 = (-3) * (-x) = 3x
r = 2の場合。
(-3C2) * 1^(-3-2) * (-x)^2 = (3) * x^2 = 3x^2
最後に、r = 3の場合。
(-3C3) * 1^(-3-3) * (-x)^3 = (-1) * (-x)^3 = -x^3
❸ 展開結果の表現と一般項
したがって、(1 – x)^(-3) の展開結果は次のようになります。
1 + 3x + 3x^2 – x^3
これが、シグマ記号を使わずに書かれた展開結果です。
また、一般項は次のように求めることができます。
一般項 = (-3Cr) * 1^(-3-r) * (-x)^r = (-1)^r * (-3Cr) * x^r
❹ まとめと重要なポイント
(1 – x)^(-3) の展開では、二項定理を使って各項を求めることができます。シグマ記号を使わずに展開した結果は、1 + 3x + 3x^2 – x^3 です。また、一般項の形は (-1)^r * (-3Cr) * x^r です。
この問題を解く際のポイントは、まず二項定理の公式をしっかりと理解し、各項を求める際に r の値を変えていくことです。繰り返しの計算を行うことで、正確に展開を行うことができます。
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