確率論で頻繁に登場する概念の1つが「試行が独立である」というものです。この概念は、試行間に関係がないことを示すため、確率を計算する際に非常に重要です。この記事では、「試行が独立である」ことの厳密な定義について解説します。
試行が独立であるとは?
「試行が独立である」とは、ある試行の結果が他の試行の結果に影響を与えないことを意味します。具体的には、ある試行の結果が分かっても、次の試行の結果の確率には影響を及ぼさないということです。
例えば、サイコロを1回転がす試行と2回目の試行は独立です。1回目のサイコロの目が何であったかは、2回目のサイコロの目に全く影響を与えません。このような場合、1回目と2回目の試行は独立であると言えます。
厳密な定義:条件付き確率
試行が独立であることを厳密に定義するためには、条件付き確率を使います。2つの試行AとBが独立であるとは、次の条件が満たされる場合です。
P(A ∩ B) = P(A) × P(B)
ここで、P(A ∩ B)は試行Aと試行Bが同時に起こる確率、P(A)は試行Aが起こる確率、P(B)は試行Bが起こる確率です。この式が成立する場合、試行Aと試行Bは独立であると言います。
独立試行の例
サイコロを転がす例で考えると、1回目のサイコロの目が「3」であったとしても、2回目のサイコロの目の確率には何の影響も与えません。この場合、1回目と2回目の試行は独立しています。
もう1つの例として、コイン投げがあります。コインを1回投げた結果(表または裏)が、次に投げるコインに影響を与えることはありません。これも独立した試行の一例です。
独立試行と依存試行の違い
独立試行に対して、依存試行(または条件付き試行)という概念もあります。依存試行では、ある試行の結果が他の試行の確率に影響を与えます。例えば、袋から玉を1個取り出し、戻さずに次の玉を取り出す場合、1回目の試行の結果は2回目の試行に影響を与えます。この場合、試行は独立ではなく、依存しています。
まとめ
「試行が独立である」とは、1つの試行の結果が他の試行に影響を与えないことを意味します。数学的には、条件付き確率を使って、試行が独立であるかどうかを判断することができます。独立試行の理解は、確率論において重要な概念であり、確率計算の基盤となります。
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