複素平面上での |z+2|=2|z-2| の解説:直線ではない理由

数学

複素平面上で、方程式 |z+2|=2|z-2| が示すものは、単なる直線ではありません。質問者が挙げたように、この方程式は「点2からの距離が点-2からの距離の2倍である直線」を表しているのか?と考えるのは一見直感的ですが、実際は異なります。ここでは、この方程式が表す形状とその理由について詳しく解説します。

1. 複素数の距離の定義

複素平面における距離は、複素数の絶対値を用いて定義されます。絶対値 |z| は、複素数 z の原点からの距離を表します。これを基に、|z+2| は複素数 z が点 -2 からの距離を、|z-2| は点 2 からの距離を意味します。

2. |z+2|=2|z-2| の幾何学的解釈

方程式 |z+2|=2|z-2| は、複素平面上の点 z が、点 2 と点 -2 からの距離に関して特定の比率を保つ位置にあることを示しています。このような条件を満たす点は、直線ではなく、実際には双曲線を形成します。

3. 双曲線としての解釈

実際、この方程式は「点2からの距離が点-2からの距離の2倍」という条件を満たす点が、双曲線の一部であることを示しています。直線的な解釈が誤解を招く理由は、距離比が一定であっても直線上の点に限定されないためです。

4. 双曲線と直線の違い

直線とは異なり、双曲線は2つの焦点からの距離比が一定の点によって構成される曲線です。ここでは点 2 と点 -2 を焦点として、特定の距離比を保つ点が集合となります。

5. 結論:直線ではなく双曲線

従って、方程式 |z+2|=2|z-2| が示すものは、点 2 と点 -2 からの距離比が2:1の点が描く双曲線であり、直線ではありません。直感的な理解と異なるかもしれませんが、この解釈が正しい幾何学的な解析結果です。

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