an=1/nがコーシー列であることの証明の解説

大学数学

本記事では、数列an=1/nがコーシー列であることを証明する方法について解説します。コーシー列とは、数列の項が十分に大きくなると、項同士の差がいくらでも小さくなるような数列を指します。証明方法を段階的に説明し、理解しやすいように説明します。

コーシー列の定義と背景

コーシー列とは、任意のε>0に対して、数列の項の差がεより小さくなるようなNが存在する数列のことです。つまり、数列の項が十分に大きくなると、項同士の差がいくらでも小さくなることを意味します。この性質は、実数列が収束するかどうかを判断するために重要な役割を果たします。

an=1/nのコーシー列証明のステップ

まず、数列an=1/nがコーシー列であるかどうかを証明するためには、コーシー列の定義に従い、任意のε>0に対して、n, mが十分大きければ|an – am| < εとなることを示さなければなりません。

数列an=1/nにおいて、任意のn, mに対して|an – am|は次のように計算できます。

|an – am| = |(1/n) – (1/m)| = |(m – n) / (nm)|

ここで、m, nが大きくなると、nmも大きくなるため、|an – am|はどんどん小さくなります。したがって、任意のεに対して、|an – am| < εとなるようなn, mが存在することが分かります。これにより、an=1/nはコーシー列であることが証明されます。

証明における重要なポイント

コーシー列の証明では、数列の項同士の差が十分小さくなることを示すことが重要です。具体的には、|an – am| = |(m – n) / (nm)|がεより小さくなることを示すために、n, mが大きくなるにつれて分母nmが大きくなることを利用しています。この特性がコーシー列の定義を満たすため、an=1/nはコーシー列であると結論できます。

まとめ

数列an=1/nがコーシー列であることの証明を通じて、コーシー列の定義とその証明方法について理解を深めることができました。コーシー列は、収束の判定において非常に重要な役割を果たします。この証明により、an=1/nが収束することを確かめるためにコーシー列の性質を利用できることが分かります。

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