線形写像や部分空間、基底に関する問題は、線形代数の理解において非常に重要な要素です。この記事では、R^3内の2次元部分空間Wと3次正方行列Pを使って、具体的な問題を解く手順について解説します。
部分空間の条件と証明方法
まず、部分空間が成り立つためには以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 0ベクトルがWに含まれている
- W内の任意のベクトルa, bに対してa+bがWに含まれる
- W内の任意のベクトルaに対して、スカラー倍kaもWに含まれる
これらの条件が満たされていれば、Wは部分空間であることが示せます。
問題の設定とPの行列
与えられた問題では、R^3内の2次元部分空間Wと、行列Pが次のように定義されています。
W={(x, y, z)∈R^3 | 2x + 2y + z = 0}
P = 1/3{[0 1 -2], [-1 0 2], [2 -2 0]}
まず、P^2およびP^3を求める必要があります。これにより、後の問題を解くための準備が整います。
問題(2) Px ∈ W および P^2x ∈ W を示す
この問題では、x ∈ R^3に対して、PxおよびP^2xが部分空間Wに含まれることを示さなければなりません。まず、PとP^2を適用した後に得られるベクトルが、Wの条件を満たすことを確認します。
具体的には、PおよびP^2をxに適用して得られるベクトルが、2x + 2y + z = 0の形を満たすかを確かめます。これにより、PxおよびP^2xがWに含まれることが示されます。
問題(3) β = {Px, P^2x}がWの基底であることを示す
次に、Px ≠ 0である場合に、β = {Px, P^2x}がWの基底を形成することを示します。基底であるためには、PxとP^2xがW内で線形独立であることが必要です。
この場合、PxとP^2xがW内で線形独立であることを確認するために、両者がスカラー倍の関係にないことを示せば十分です。これにより、βがWの基底となることが証明されます。
問題(4) W上の線形写像の表現行列を求める
最後に、W上の線形写像p:W→Wをp(v) = Pv(v ∈ W)として定義します。この写像に関して、基底β = {Px, P^2x}に関するpの表現行列を求める問題です。
線形写像の行列表示を求めるためには、まずp(Px)およびp(P^2x)を計算し、これらが基底βの線形結合でどのように表現できるかを調べます。具体的に行列を計算して、pの表現行列を求めます。
まとめ
線形写像の部分空間と基底に関する問題は、数学の基礎的な理解を深めるために重要です。具体的な計算を通じて、部分空間の条件や基底の構成を理解することができます。また、線形写像の表現行列を求めることは、線形代数の実践的な問題解決に役立ちます。
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