アジの揮発性塩基窒素の計算方法: 実験データに基づくステップバイステップ解説

化学

アジの揮発性塩基窒素(TVBN)は、魚の鮮度を測る重要な指標です。ここでは、与えられた実験データを使って、アジの揮発性塩基窒素を求めるための手順を解説します。以下の内容では、シュウ酸溶液のファクター計算から始まり、滴定の過程を経て、最終的に揮発性塩基窒素を計算する方法について詳しく説明します。

シュウ酸溶液のファクター計算

まず、シュウ酸(C₂H₂O₄)の分子量は126.07 g/molで、測定されたシュウ酸の溶液濃度は0.005 mol/Lです。0.005 mol/Lのシュウ酸溶液を作るためのファクターFを計算するには、次のようにします。

F = 測定重量(g/L) ÷ (分子量 × 溶液濃度) = 0.63356g/L ÷ (126.07 g/mol × 0.005 mol/L) ≈ 1.00

シュウ酸溶液の滴定と水酸化ナトリウムのファクター計算

次に、シュウ酸溶液(0.005 mol/L)を使って、約0.01 mol/Lの水酸化ナトリウム(NaOH)溶液を滴定しました。平均で5.02 mLの水酸化ナトリウム溶液を使ったとき、この水酸化ナトリウム溶液のファクターfを計算します。

水酸化ナトリウムのファクターfは次のように計算できます。

f = (シュウ酸のモル濃度 × シュウ酸溶液の体積(L)) ÷ (NaOH溶液のモル濃度 × NaOHの体積(L))

f = (0.005 mol/L × 0.005 L) ÷ (0.01 mol/L × 0.00502 L) ≈ 0.50

アジのサンプル準備と体積測定

次に、1週間保存したアジ(10.2g)を量り、その揮発性塩基窒素を計算するための準備を行います。実験で使用したアジのサンプルの体積aは0.671 mL、bは0.981 mLです。この2つの値を使って揮発性塩基窒素を求めるために計算を行います。

まず、aとbの体積差を取ります。

ΔV = b – a = 0.981 mL – 0.671 mL = 0.310 mL

揮発性塩基窒素(TVBN)の計算

揮発性塩基窒素(TVBN)は、アジのサンプルに含まれるアンモニアやその他の揮発性塩基を測定することで計算できます。計算式は次の通りです。

TVBN = (ΔV × NaOHのファクター × 1000) ÷ アジのサンプル重量(g)

TVBN = (0.310 mL × 0.50 × 1000) ÷ 10.2 g ≈ 15.2 mg%

まとめ

アジの揮発性塩基窒素(TVBN)の計算は、シュウ酸溶液のファクター計算、滴定実験、そしてサンプルの体積を基に求められます。上記のステップに従うことで、TVBNを正確に計算することができ、アジの鮮度を評価するための重要な指標を得ることができます。

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