なぜ人間は夕方になると体温が上がるのか？

夕方近くになると、自然に体温が上昇していると感じることがあります。この現象は、体内の生体リズムやホルモンの働きによるものです。今回は、なぜ人間の体が時間の経過を感じ、体温が上がるのかについて解説します。

1. 体内時計と体温の関係

人間には「サーカディアンリズム」と呼ばれる体内時計があり、これが昼夜のリズムに従って体内の機能を調整します。サーカディアンリズムは約24時間の周期で、体温やホルモン分泌、眠気のサイクルをコントロールしています。夕方近くになると、体温が少しずつ上昇するのは、このリズムによるものです。

サーカディアンリズムに基づいて、体内で分泌されるホルモンも影響を与えます。特に、昼間に活発に分泌されるコルチゾールや、夜に分泌が増えるメラトニンの影響を受けて、体温が昼間は高め、夜間は低めに保たれるようになっています。夕方になると、これらのホルモンのバランスが変化し、体温が自然に上昇します。

人間の体温は一日の中で自然に変動します。朝は低い体温から始まり、昼間に向かって上昇し、夕方には最高に達し、その後夜間に向けて再び低下します。このリズムが正常に働いていることは健康を保つために非常に重要です。特に、体温が夕方に上がることで、体が活発に動けるように準備が整います。

もしサーカディアンリズムが乱れると、体温の変動が不規則になり、体調不良を引き起こすことがあります。夜型生活を続けることで体内時計が狂うと、体温の上昇が遅れたり、逆に日中に眠気を感じやすくなるなど、生活のリズムに影響を与えることがあります。

人間の体温が夕方近くになると自然に上昇するのは、サーカディアンリズムという体内時計によるものです。このリズムは、ホルモン分泌や体温調整を通じて、体が一日を通して最適な状態を保つために働いています。もし体調が気になる場合は、生活習慣や睡眠リズムを見直して、体内時計を整えることが大切です。