清末の北洋水師では、さまざまな職務について高額な年俸が支給されていました。例えば、一等水兵の年俸は120両白銀、一等雷兵は108両、一等炮手は240両、魚類匠は288両、そして電灯兵ですら360両の年俸を得ていました。これらの俸禄は当時の一般的な官職に比べても非常に高額で、海軍の重要性を物語っています。
北洋水師の俸禄と清末の官僚制度の比較
北洋水師における俸禄の額は、清末の官僚の給与と比較すると、非常に高いものでした。例えば、清末の九品官僚は年収が33両に過ぎませんでした。それに対して、正一品の文官であっても年俸は180両程度であり、水師の俸禄がいかに高額であったかがわかります。
特に、電灯兵でさえ360両の年俸を得ていたことは、当時の官僚の2倍の額に相当します。この差は、海軍が国家の防衛において重要な役割を果たしていた証拠ともいえるでしょう。
海軍の重要性とその待遇
北洋水師の俸禄は、当時の朝廷が海防にどれだけ力を入れていたかを示しています。海軍の力強化が急務であり、特に日本との戦争を見据えて、海軍の強化が推進されていました。そのため、海軍の兵士や技術者に対する待遇は非常に手厚く、その結果、俸禄の額も驚くべきものとなりました。
また、北洋水師の総指揮官である丁汝昌提督の年俸は、なんと8400両に達しており、これは当時の一品大員の中でも特に高額な部類に入ります。
海軍俸禄から見る国家の優先順位
朝廷が海防を最優先事項として扱っていたことは、海軍兵士の俸禄に表れています。これらの高額な給与は、当時の政府が海軍の強化にどれだけ注力していたかを象徴するものです。朝廷が北洋水師に与えた資源と待遇は、国家の防衛力を高めるための重要な投資であったといえるでしょう。
それに比べて、当時の官僚は、ほとんどが水師の兵士たちに比べて少ない年俸で働いていました。このような状況からも、北洋水師の重要性がどれだけ大きかったのかが理解できます。
まとめ
清末の北洋水師では、海軍の重要性を反映するかのように、非常に高額な俸禄が支給されていました。特に、電灯兵でさえ360両、提督である丁汝昌は8400両という驚くべき額を得ていました。これらの高額な俸禄は、国家が海防を最優先課題としていた証拠であり、北洋水師が当時の中国の防衛において果たした重要な役割を示しています。
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