本記事では、ルベーグ積分における二つの定義が同値であることを示すための証明方法について解説します。特に、単関数の積分を出発点とせずに、上半レベル集合を利用した定義について説明します。
ルベーグ積分の二つの定義
ルベーグ積分には二つの主な定義方法があります。最初の方法では、単関数の積分を基にして、非負値可測関数に対して積分を定義し、一般の可測関数に対しても積分を拡張します。もう一つの方法は、関数の上半レベル集合の測度を用い、その測度の広義リーマン積分を計算する方法です。
最初の定義: 単関数から積分を構築
最初の定義では、単関数の積分を出発点とします。単関数は、特定の区間で定数を取る関数であり、これに対する積分を定義することで、非負可測関数全体に対して積分が定義できます。この方法で積分を定義するためには、単調増加単関数列を使用して、非負可測関数を逐次的に近似します。
二番目の定義: 上半レベル集合を用いた方法
二番目の定義では、非負可測関数fの上半レベル集合の測度、すなわちμ_f(λ) = {x ∈ E : f(x) > λ}(Eは可測集合、λ ∈ R)を使用します。この測度に対して広義リーマン積分を取ることで、関数fの積分を定義します。具体的には、∫(0→∞) μ_f(λ) dλが収束する場合、その極限値がfの積分となります。
二つの定義が同値であることの証明
最初の定義と二番目の定義が同じ意味を持つことを証明するためには、まず二番目の方法で単関数に対する積分を計算します。その後、この計算が最初の定義における単関数の積分と一致することを示します。具体的には、単関数の上半レベル集合の測度を用いる方法が、単調増加単関数列を使用する方法に対応することを示せば良いです。
証明のステップ
証明のステップは次のようになります。
- 単関数に対して、上半レベル集合の測度を用いて積分を計算する。
- この積分が、単関数の積分として定義された最初の方法と一致することを示す。
- 一般の可測関数に対しても、同様の手法を使って二つの定義が一致することを確認する。
まとめ
ルベーグ積分の二つの定義が同じ意味を持つことを証明するには、単関数に対して上半レベル集合を利用した積分と、単関数の積分を出発点とした定義が一致することを示す必要があります。このようにして、二つの定義が同値であることが確認できます。
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