清末北洋水師官兵の高額年俸とその背景

清末の時期、威海衛には二つの非常に高額な給与を受け取る集団が存在しました。一つは北洋水師の官兵たちで、彼らの年俸は非常に高く、最も下級の兵士でさえ36両白銀を受け取っていました。これは当時の九品官僚の年俸33両を上回る額でした。もう一つは華勇営の官兵で、高額な年俸を受け取っていたにもかかわらず、同胞を虐待し、英軍に協力していたという背景があります。

北洋水師の高額年俸

北洋水師（または北洋海軍）は、清朝が設立した近代的な海軍で、最も強力で規模が大きい海軍でした。海軍には主要な軍艦25隻、補助艦50隻、輸送船30隻があり、官兵は4000人以上いました。1888年12月17日、北洋水師は威海衛の劉公島で正式に結成されました。清政府は毎年400万両白銀を海軍建設に充てていました。北洋水師の官兵たちは特別な待遇を受け、年俸は非常に高額でした。

一等水兵の年俸が120両白銀、一等炮手は240両白銀、魚類匠は288両白銀、電灯兵でさえ360両白銀という額で、当時の官僚の給与をはるかに超えていました。このように、海軍の役職は非常に高い給与が支給され、当時の清朝が海防にどれほど力を入れていたかがわかります。

華勇営の官兵とその待遇

華勇営は清朝の軍隊の一部であり、その官兵たちは高額な給与を受け取っていました。しかし、この華勇営の兵士たちは、同胞を虐待し、英軍に協力したとして非難されることが多かったです。これらの兵士たちは、清朝政府の利益に反して行動し、結果としてその存在は清朝政府にとって厄介なものとなったと言えます。

華勇営の高額な給与とその非道な行動は、当時の清朝社会における矛盾した状況を反映しています。高額な給与を受け取る一方で、内外の敵対勢力に協力するなどの行動が問題視されました。

北洋水師の重要性とその反映

北洋水師の高額な給与は、清朝政府が海防にどれほど注力していたかを示すものです。当時、清朝は列強に対抗するため、海軍の強化が不可欠だと考えていました。そのため、海軍の兵士や指揮官たちは特別な待遇を受け、海軍の力を強化することが目指されていました。

また、北洋水師の指導者である丁汝昌提督の年俸が8400両白銀に達していたことは、当時の中国の政治家や軍人の中でも特に高額なものとなっていました。このような高額な年俸は、海防の強化とともに、清朝の重視する海軍力の象徴でもありました。

まとめ

清末の北洋水師では、非常に高額な年俸が支給されていました。北洋水師の兵士たちは、当時の官僚に比べてはるかに高い給与を受けており、海軍の重要性が反映されています。特に、電灯兵でさえ360両白銀の年俸を得ていたことは、海軍が国家の防衛において果たした重要な役割を象徴するものです。これらの待遇は、清朝が海防に注力していた証拠となり、海軍強化のための投資が行われていたことを示しています。