リスク資産の収益率に関連する期待値や標準偏差、相関係数の計算は、投資分析において非常に重要な役割を果たします。この記事では、株式会社A(リスク資産A)と株式会社B(リスク資産B)の収益率を基に、期待値、標準偏差、相関係数をどのように計算するかをわかりやすく解説します。
リスク資産A(株式会社A)の収益率の期待値の計算
リスク資産Aの収益率の期待値を求めるには、各収益率にその確率を掛けて合計します。具体的な計算式は以下の通りです。
期待値(E[X])=Σ(収益率 × 確率)
株式会社Aの各状態の収益率と確率は次の通りです。
- Very Good:収益率40%、確率0.25
- Good:収益率-3%、確率0.3
- Neutral:収益率10%、確率0.3
- Bad:収益率-15%、確率0.15
これを元に期待値を計算すると、期待値(E[X])=0.25×40 + 0.3×(-3) + 0.3×10 + 0.15×(-15) = 10.75% となります。
リスク資産A(株式会社A)の収益率の標準偏差の計算
標準偏差は、収益率が期待値からどれだけ離れているかを示す指標です。計算式は次の通りです。
標準偏差(σ)=√Σ(確率 × (収益率 – 期待値)²)
株式会社Aの収益率について、期待値10.75%を基に計算します。具体的には次の計算を行います。
標準偏差(σ)=√(0.25×(40-10.75)² + 0.3×(-3-10.75)² + 0.3×(10-10.75)² + 0.15×(-15-10.75)²)
計算結果、標準偏差は約17.23%となります。
リスク資産B(株式会社B)の収益率の期待値の計算
リスク資産Bの収益率の期待値も、同様に確率と収益率を掛け合わせて求めます。株式会社Bの各状態の収益率と確率は次の通りです。
- Very Good:収益率35%、確率0.25
- Good:収益率25%、確率0.3
- Neutral:収益率-5%、確率0.3
- Bad:収益率-15%、確率0.15
期待値(E[Y])=0.25×35 + 0.3×25 + 0.3×(-5) + 0.15×(-15) = 12.5% となります。
リスク資産B(株式会社B)の収益率の標準偏差の計算
リスク資産Bの収益率の標準偏差も、株式会社Aと同様に計算します。期待値12.5%を基に計算式は次の通りです。
標準偏差(σ)=√(0.25×(35-12.5)² + 0.3×(25-12.5)² + 0.3×(-5-12.5)² + 0.15×(-15-12.5)²)
計算結果、標準偏差は約17.68%となります。
リスク資産A(株式会社A)とリスク資産B(株式会社B)の収益率間の相関係数の計算
リスク資産AとBの収益率間の相関係数は、各資産の収益率と確率の組み合わせを基に求めます。相関係数の計算式は次の通りです。
相関係数(ρ)=Σ(確率 × (Aの収益率 – E[X]) × (Bの収益率 – E[Y])) / (標準偏差A × 標準偏差B)
具体的には、次のように計算します。
ρ = Σ(確率 × (Aの収益率 – 期待値A) × (Bの収益率 – 期待値B)) / (標準偏差A × 標準偏差B)
計算を進めることで、相関係数を求めることができますが、この手順を踏むことで、両リスク資産の相関関係を評価できます。
まとめ
リスク資産Aとリスク資産Bの収益率の期待値、標準偏差、相関係数を求めることで、それぞれのリスクとリターンの特性を理解することができます。投資分析においては、これらの指標を使ってリスクの分散効果を最大化するための戦略を立てることが重要です。
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