大学数学の演習で出題される「合成写像が全単射であれば、各写像も全単射である」という問題は、写像の性質を理解する上で重要です。この記事では、この問題に関する証明の過程を分かりやすく解説します。
問題の整理と進め方
与えられた問題では、写像f:X→Y, g:Y→Z, h:Z→Wがあり、f⚪︎g⚪︎hが全単射であるとき、f, g, hも全単射であることを証明することが求められています。まずは、全単射の定義とその重要性を確認しておきましょう。
全単射の定義
全単射とは、写像が「単射」でありかつ「全射」であることを意味します。単射は、異なる元が異なる像を持つこと、全射は、すべての対象が少なくとも1つの元に対応することを意味します。全単射であるためには、この2つの条件が両立していなければなりません。
合成写像が全単射である場合の性質
問題の中で、合成写像f⚪︎g⚪︎hが全単射であるということは、f⚪︎g⚪︎hが単射であり、かつ全射であるということです。まず、gが単射であること、次にfが単射であることを示すことが証明の重要なステップとなります。
逆写像の登場と式の導出
次に、gが全単射であると判定した後、逆写像g^-1:Y→Zが存在することを確認します。式① f=g^-1⚪︎(g⚪︎f) より、g^-1とg⚪︎fが全単射であることから、fも全単射であることが示されます。同様に式② h=(h⚪︎g)⚪︎g^-1 を用いて、hが全単射であることが確認できます。
まとめ
この問題では、合成写像が全単射であることから、個々の写像も全単射であることを証明しました。重要なステップは、逆写像を使用して、写像の単射性と全射性を確認することです。このような証明方法を理解することで、数学的な証明力が向上します。
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