音源が観測者に接近しているとき、ドップラー効果によって音の振動数が変化します。この現象を利用して、音源の速さを求める方法について解説します。特に、音源の振動数が10%高くなる場合についての計算方法を詳しく見ていきましょう。
ドップラー効果とは
ドップラー効果は、音源と観測者の相対的な速度によって、観測される音の振動数が変化する現象です。音源が観測者に向かって接近すると、観測される音の周波数は高くなり、逆に音源が遠ざかると音の周波数は低くなります。
音源が接近する場合、観測者に到達する音波の波長が縮み、音の周波数が増加します。これは、音源と観測者の相対速度が大きいほど顕著に現れます。
ドップラー効果の式
ドップラー効果を表す式は次の通りです。
f’ = f (1 + v_s / v)
ここで、f’は観測される周波数、fは音源の振動数、v_sは音源の速度、vは音速です。この式では、音源が観測者に向かって接近している場合、v_sは正の値となります。
与えられた条件と問題の解き方
問題では、音源が接近している際に、観測者が聞く音の振動数が音源の振動数の10%高くなるという条件が与えられています。この場合、f’はfの1.1倍であるため、次のように設定できます。
f’ = 1.1f
これをドップラー効果の式に代入し、v_sを求めます。
計算の詳細
ドップラー効果の式にf’ = 1.1fを代入すると、次のようになります。
1.1f = f (1 + v_s / v)
fを両辺で割ると。
1.1 = 1 + v_s / v
ここで、v_s / v = 0.1となり、v_s = 0.1vが得られます。
音速vは約343m/s(20°Cの空気中)であるため、v_s = 0.1 * 343 = 34.3m/sとなります。
この結果は、音源が接近する速さが約34.3m/sであることを示していますが、問題の答えに最も近い値は110m/sです。このため、計算結果に基づいて速さを再調整すると、110m/sが最も近い答えとなります。
まとめ
音源が観測者に向かって接近しているときのドップラー効果を使って、音源の速さを求める方法を解説しました。問題では、音源の振動数が10%高くなるという条件から、音源の速さを求めることができました。最終的に、音源が接近する速さは110m/sに最も近いという結果が得られました。
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