月が無いと地球の自転は速かった？月と地球の関係を解説

「月が無いと地球の自転はもっと速かった」「月が潮の満ち引きを作り、海水の摩擦で自転が安定している」という解説について、疑問に思われる方も多いかもしれません。実際にどういうことなのか、月と地球の自転に関する関係を詳しく解説していきます。

月が地球の自転に与える影響

月の引力は地球に大きな影響を与えており、その中でも特に「潮汐力（ちょうせきりょく）」が重要です。月の引力によって、地球上の海水が引っ張られ、潮の満ち引きが生じます。この潮汐力は地球の自転に摩擦を与え、少しずつ自転速度を遅くする作用を持っています。

月が地球の海水に引き起こす潮汐力は、単に水位を上下させるだけではありません。海水が動くことで、海底と水の間に摩擦が生じ、これが地球の自転に抵抗を与えます。この摩擦が作用することで、地球の自転は徐々に遅くなっているのです。

もし月が無ければ、この潮汐力による摩擦が無くなり、地球の自転は遅くならずに、より速いままであった可能性が高いです。月がいない場合、地球の自転は自然に速くなるはずで、1日がもっと短くなるという仮説もあります。

月の存在は単に自転速度を遅くするだけではなく、地球の自転軸を安定させる役割も果たしています。月が無ければ、地球の自転軸は不安定になり、気候が極端に変動する可能性もあります。月の引力が、地球の自転軸を現在のように安定させているため、地球上の生物が安定した気候で生きることができるのです。

月が地球の自転に与える影響は、単に速さを遅くするだけではなく、地球の自転を安定させる重要な役割を持っています。潮汐力や摩擦が関わっていることを理解すると、月が無い場合の地球の自転が速くなるというのも納得できます。また、月が地球の気候や環境にも深く関わっていることがわかります。