ボイジャー1号と2号は、1977年に打ち上げられ、40年以上も稼働し続けています。そんな中で、最も気になる点のひとつが「燃料はなぜ持ち続けるのか?」ということです。今回はその理由について詳しく解説します。
ボイジャー1号、2号の燃料の仕組み
ボイジャー1号と2号は、遠く離れた宇宙空間を飛行するため、動力源として「放射性同位元素熱電発電機(RTG)」を使用しています。RTGは、ウランやプルトニウムといった放射性物質を使用して熱を発生させ、それを電気に変換する仕組みです。この熱電発電機は、太陽光が届かない深宇宙でも安定的にエネルギーを供給し続けることができます。
RTGの長寿命の秘密
RTGの最大の特徴は、その「長寿命」です。放射性物質の半減期が非常に長いため、ボイジャーが地球から非常に遠くにある現在でも、依然として安定した電力を供給できています。特に、プルトニウム-238は半減期が約87.7年であるため、数十年にわたって発電を続けることができます。
電力の減少とその影響
とはいえ、RTGのエネルギー出力は時間とともに減少します。ボイジャーの発電能力は、今後も年々減少していきますが、十分に安定した運用が可能な間は、通信や観測を行い続けることができます。NASAは、ボイジャーの寿命を延ばすために、必要なシステムや機器の最適化を行い、できる限り長く使い続ける計画を立てています。
ボイジャーの未来とその重要性
ボイジャー1号と2号は、今後さらに遠くの宇宙空間に進んでいきます。どちらも太陽系を離れ、恒星間空間に向かって航行を続けている最中です。ボイジャーが送るデータは、他の惑星探査機にとって貴重な情報源であり、宇宙の神秘を解き明かすための重要な役割を果たしています。
まとめ
ボイジャー1号と2号が40年以上も燃料を持ち続けているのは、放射性同位元素熱電発電機(RTG)の特性によるものです。この技術により、太陽光が届かない宇宙空間でも安定したエネルギー供給が可能になり、今後も長い期間にわたってデータを送り続けることができます。
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