理科の化学問題でよく出題されるのが、異なる元素がどのように反応し、その質量比がどのように求められるかというものです。この記事では、銅と鉄が硫黄と反応してそれぞれ硫化銅CuS、硫化鉄FeSになる反応を例に、銅原子ひとつと鉄原子ひとつの質量比を求める方法を詳しく解説します。
反応式を使って質量比を求める方法
問題文にある通り、銅と鉄はそれぞれ硫黄と反応して硫化銅CuS、硫化鉄FeSを生成します。反応の際、質量の保存則が成り立ちますので、反応に関わる各元素の質量比からそれぞれの元素のモル数を計算することができます。
まず、反応に必要な質量とモル質量を基にして、それぞれの元素のモル数を求めます。その後、銅と鉄の原子の質量比を導き出すことができます。これを計算することで、質問にある「銅原子ひとつと鉄原子ひとつの質量の比」を求めることができます。
反応式の立て方とモル質量の計算
まず、硫化銅(CuS)と硫化鉄(FeS)の反応式を立てます。それぞれの反応において、銅と鉄が1:1のモル比で硫黄と結びついています。したがって、反応式は次のようになります。
Cu + S → CuS
Fe + S → FeS
それぞれのモル質量は、銅が63.5g/mol、鉄が56g/mol、硫黄が32g/molです。この情報を使って、反応に使われるモル数を計算し、それを基に質量比を導きます。
銅と鉄の質量比を求める
次に、銅と鉄の質量比を求めるために、与えられた質量をモル数に変換します。
銅の反応に必要な質量は2.49gです。モル質量63.5g/molを用いて、2.49gの銅が何モルかを求めます。
モル数 = 質量 / モル質量 = 2.49g / 63.5g/mol = 0.0391 mol
同様に、鉄1.4gの場合、鉄のモル質量56g/molを使って、鉄のモル数を求めます。
モル数 = 質量 / モル質量 = 1.4g / 56g/mol = 0.0250 mol
次に、銅と鉄のモル比を求めます。銅と鉄はそれぞれ1:1の比率で反応しますので、モル数を元に比を求めます。
銅原子と鉄原子の質量比
銅と鉄のモル数が求まったら、それぞれの原子の質量比を計算できます。銅のモル数は0.0391 mol、鉄のモル数は0.0250 molです。
それぞれの質量を求めるために、モル質量を掛け算します。
銅の質量 = 0.0391 mol × 63.5 g/mol = 2.49 g
鉄の質量 = 0.0250 mol × 56 g/mol = 1.4 g
これで、銅原子ひとつと鉄原子ひとつの質量比は、63.5:56という結果になります。これは約、
63.5:56 ≈ 9:8
まとめ
銅原子ひとつと鉄原子ひとつの質量の比は、約9:8となります。この比を求めるためには、反応式を立てて、質量からモル数を計算し、モル数を基に原子の質量比を求めるという手順を踏むことが重要です。理科の問題では、モル質量や質量比の計算をしっかりと理解しておくことが大切です。
コメント