高校物理:熱力学における気体の内部エネルギーと仕事の計算

物理学

この問題では、シリンダー内の気体が断熱的に圧縮される過程における内部エネルギーの変化と外部からされた仕事を計算します。断熱過程は、熱の出入りがない状況で、気体の圧力、体積、温度の変化にどのように関係するのかを理解することが重要です。本記事では、問題を解決するためのステップを順を追って解説します。

問題の設定と解法の方針

問題では、気体の温度変化と内部エネルギーの変化が与えられています。具体的には、温度が10K変化したときの内部エネルギーの変化が48Jであることがわかっています。この情報を基に、ピストンが急速に動かされる断熱的な圧縮過程での温度変化を利用して、気体の内部エネルギーの変化と外部からされた仕事を求める問題です。

まず、気体の内部エネルギーの変化と、温度変化との関係を示す公式を導出し、次にその公式を使って具体的な値を計算します。

内部エネルギーの変化の計算

内部エネルギーの変化(ΔU)は、気体の温度変化(ΔT)に比例しており、以下の式で表されます。

ΔU = C × ΔT

ここで、Cは気体の定積比熱で、ΔTは温度の変化です。問題において、10Kの温度変化に対して48Jの内部エネルギーの変化が与えられているので、定積比熱Cを求めることができます。

まず、Cを求める式は以下のように書けます。

C = ΔU / ΔT = 48J / 10K = 4.8 J/K

これが気体の定積比熱です。

断熱過程での内部エネルギーの変化

次に、気体が断熱的に圧縮される過程における温度変化50Kに対して、内部エネルギーの変化を求めます。ここでは、定積比熱Cがわかっているので、再度ΔU = C × ΔTを使って計算できます。

内部エネルギーの変化は次のように計算できます。

ΔU = 4.8 J/K × 50K = 240 J

したがって、断熱的な圧縮による内部エネルギーの変化は240Jです。

外部からされた仕事の計算

断熱過程では、気体の内部エネルギーの変化は外部からされた仕事に等しくなります。したがって、外部からされた仕事Wは、内部エネルギーの変化に相当します。

W = ΔU = 240 J

したがって、外部からされた仕事は240Jです。

まとめ

この問題では、断熱的な圧縮過程における気体の内部エネルギーの変化と外部からされた仕事を求めました。内部エネルギーの変化は、定積比熱を使って計算し、断熱過程での温度変化から求めました。結果として、内部エネルギーの変化は240J、外部からされた仕事も240Jであることがわかりました。熱力学におけるエネルギーの保存と断熱過程の理解は、物理学の基本的な概念であり、様々な応用に役立ちます。

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