熱の移動と温度変化の計算方法:銅製容器に鉄球を入れた場合の温度求め方

物理学

質量650gの銅製容器に水0.85Lを入れて20°Cに加熱し、80°Cの鉄球400gを入れた場合、全体の温度はどのように計算すればよいのでしょうか?これは、熱の移動と温度変化を求める典型的な問題です。この記事では、熱容量を考慮した温度計算方法を解説します。

熱の移動とエネルギー保存の法則

この問題は、エネルギー保存の法則を使用して解くことができます。エネルギー保存の法則によると、熱は閉じられた系内で保存され、異なる物質が接触したときに熱が移動します。

つまり、銅製容器と水、鉄球の間で熱が移動し、その結果、全体の温度が変化します。熱容量と比熱を使って、それぞれの物質がどれだけの熱を吸収したかを計算します。

必要なデータと公式

まず、必要なデータを整理しましょう。

  • 銅製容器の質量:650g
  • 銅の比熱容量:0.090J/g·°C
  • 水の質量:0.85L(=850g、水の比熱容量は4.18J/g·°C)
  • 鉄球の質量:400g
  • 鉄の比熱容量:0.449J/g·°C
  • 初期温度:20°C(銅製容器と水)、80°C(鉄球)

次に、熱エネルギーの計算に使う公式を確認します。

Q = mcΔT

ここで、Qは熱エネルギー、mは質量、cは比熱容量、ΔTは温度変化です。これを使って、各物質が放出または吸収した熱量を計算します。

計算手順

1. 鉄球が放出する熱量を計算します。鉄球が冷却されるので、温度変化はΔT = 80 – T(最終温度)。

Q鉄 = m鉄 × c鉄 × ΔT = 400 × 0.449 × (80 – T)

2. 水と銅製容器が吸収する熱量を計算します。水と銅製容器が加熱されるので、温度変化はΔT = T – 20(最終温度)。

Q水 = m水 × c水 × ΔT = 850 × 4.18 × (T – 20)

Q銅 = m銅 × c銅 × ΔT = 650 × 0.090 × (T – 20)

エネルギー保存の法則に基づいた最終温度の計算

エネルギー保存の法則により、鉄球が放出した熱量は水と銅製容器が吸収した熱量に等しいです。したがって、次の式を立てます。

Q鉄 = Q水 + Q銅

400 × 0.449 × (80 – T) = 850 × 4.18 × (T – 20) + 650 × 0.090 × (T – 20)

この式を解くと、最終温度Tが求められます。計算結果、T ≈ 26.7°Cとなります。

まとめ

この問題では、エネルギー保存の法則を使って、鉄球が放出した熱と水・銅製容器が吸収した熱量が等しいことを利用して最終温度を求めました。計算では比熱容量や質量、温度変化を使って各物質の熱量を求め、最終的な温度を算出しました。結果として、全体の温度は約26.7°Cとなります。

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