統計学で回帰分析を行う際、変数間の関係性を理解することが重要です。特に、売り場面積と売上の関係を調べる場合、相関係数や標準化された値を使うことで、データを比較しやすくすることができます。この記事では、与えられた統計量を用いて、相関係数や回帰分析の式を求める方法を解説します。
問題の概要
まず、問題に与えられた統計量を整理します。
- 共分散:120
- 売り場面積の分散:100(m^2)
- 売り場面積の平均:40(m^2)
- 売り上げの分散:400(万円)
- 売り上げの平均:120万円
このデータを基に、次の問いに答えます。
- ① 面積と売上の相関係数
- ② 標準化後の売上と面積の共分散
- ③ 標準化後の相関係数
- ④ 標準化された面積を説明変数、標準化された売上を目的変数とした回帰分析の式
①面積と売上の相関係数を求める
相関係数は、共分散を両方の分散の平方根で割った値です。式は次のようになります。
相関係数 = 共分散 / (√(売り場面積の分散) × √(売り上げの分散))
これを数値に代入して計算します。
相関係数 = 120 / (√100 × √400) = 120 / (10 × 20) = 120 / 200 = 0.6
したがって、面積と売上の相関係数は0.6です。
②標準化後の売上と面積の共分散
標準化後の共分散は、標準化されたデータ同士の共分散です。標準化したデータの共分散は、単に相関係数に等しくなります。つまり、標準化された売上と面積の共分散は、相関係数と同じ0.6です。
③標準化後の相関係数を求める
標準化後の相関係数は、すでに求めた値と一致します。相関係数は、標準化したデータの共分散と同じなので、標準化された面積と売上の相関係数も0.6です。
④回帰分析の式を求める
回帰分析では、標準化された変数を使って次の回帰式を求めます。
標準化された売上 = β × 標準化された面積 + α
まず、回帰係数βは次のように求めます。
β = 相関係数 = 0.6
次に、切片αは標準化された変数の平均が0であるため、αは0になります。したがって、回帰分析の式は次のようになります。
標準化された売上 = 0.6 × 標準化された面積
まとめ
このように、回帰分析における相関係数や標準化された値を使うことで、売り場面積と売上の関係を簡単に分析できます。相関係数は0.6であり、標準化後の共分散も相関係数と一致するため、標準化された回帰分析の式は「標準化された売上 = 0.6 × 標準化された面積」となります。
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