「枕草子」の文法解説: 「さべきなめり」の「さ」の意味について

文学、古典

枕草子の「雪のいと高う降りたるを」という一節に登場する「さべきなめり」という表現について、設問で「さとは何か考えよう」という問題が出されて困っている方が多いと思います。この表現の文法的な解説を通じて、問題の意味や解き方を説明します。

枕草子の文脈と「さべきなめり」の意味

「雪のいと高う降りたるを、なほ、この宮の人には、さべきなめりと言ふ。」という部分は、雪が非常に高く降り積もる様子を描写しており、「さべきなめり」という表現がその中で使われています。ここでの「さべきなめり」は、未来や可能性を示唆する表現です。

「さべきなめり」における「べき」とは、推量や適当性を表す助動詞「べき」から来ています。「なめり」は、推測を示す助動詞「めり」の連用形です。この二つが組み合わさることで、話し手が「そうなるべきだ」と考えていることを表現しています。

「さべきなめり」の文法解説

文法的に解説すると、「さべきなめり」の「さ」は、古語の「さす」という動詞の名詞化した形から来ています。この「さす」は、もともと「さすべき」「さすべきこと」といった意味で使われ、現在の「べき」や「すべき」に相当する意味を持っていました。「さべき」とは、何かをすべきだという、強い意味合いを持っているのです。

「なめり」は「めり」という助動詞の連用形で、推測を表します。つまり、この表現は「何かがそうあるべきだろう」といったニュアンスを強調します。

同時代の文学における類似表現

枕草子と同時代の文学作品においても、推量を表す表現はよく使われていました。特に、平安時代の文学では、物事の可能性や推測を表す言葉が多く用いられています。例えば、『源氏物語』でも同じように推量の表現が多く見られ、その文学的な効果として読者に深い印象を与える役割を果たしています。

このように、「さべきなめり」のような表現は、当時の人々の思考や感覚を深く反映しており、枕草子の特徴的な文学的表現の一つと言えます。

まとめ

「さべきなめり」における「さ」の意味は、もともとの動詞「さす」の名詞形に由来し、「べき」と組み合わさることで強い推量や適当性を表しています。この表現は、平安時代の文学においてよく使われていた推測の形式であり、枕草子を含む同時代の作品における文学的特徴を示しています。

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