物理の問題解説:仕事、熱量、内部エネルギー、理想気体の膨張について

物理学

物理の問題でよく出てくる概念には、仕事、熱量、内部エネルギー、そして理想気体の膨張があります。これらの概念は、エネルギーの保存や物質の性質を理解するために重要です。この記事では、以下の問題を解決し、物理的な理解を深めるための手順を解説します。

問題1:仕事と熱量が物体の内部エネルギーに与える影響

ある物体に6.0Jの仕事を加え、同時に2.0 calの熱量を奪った場合、物体の内部エネルギーはどれだけ変化したかを求めます。ここで、1 cal = 4.184 Jです。

まず、2.0 calをジュールに換算します。2.0 cal × 4.184 J/cal = 8.368 Jです。熱量を奪ったことによってエネルギーは減少し、仕事を加えたことによってエネルギーは増加します。物体の内部エネルギーの変化は、加えた仕事と奪った熱量の合計として計算できます。

内部エネルギーの変化 = 6.0 J – 8.368 J = -2.368 Jです。よって、物体の内部エネルギーは約-2.37 Jだけ減少しました。

問題2:理想気体の等温膨張における仕事の計算

27.0℃、1.00 atm、1.00 molの理想気体が最初の体積の4倍まで等温的に膨張した場合、気体が行う仕事を求めます。

等温膨張における仕事は、以下の式で計算できます。

W = nRT ln(Vf / Vi)

ここで、nは物質量(mol)、Rは気体定数(8.314 J/mol·K)、Tは温度(絶対温度)、Vfは膨張後の体積、Viは膨張前の体積です。27.0℃は絶対温度で300.15 Kに換算できます。

計算を進めると、仕事W ≈ 1.00 mol × 8.314 J/mol·K × 300.15 K × ln(4) ≈ 1.00 mol × 8.314 J/mol·K × 300.15 K × 1.386 = 3456.5 Jです。

問題3:水の気化熱と内部エネルギーの変化

1.00 atmにおける温度100℃の水1molが全て水蒸気に気化する際の内部エネルギーの変化を求めます。

水1molの気化熱は40.6 kJ/molであり、水蒸気1molの体積は30.6 L、液体水1molの体積は18 mLです。

内部エネルギーの変化は気化熱に加えて、体積変化に伴う仕事も考慮する必要があります。気化熱はすでに40.6 kJ/molと与えられています。気化による体積変化に伴う仕事は、以下の式で計算できます。

W = PΔV = 1.00 atm × (Vf – Vi)

Vf = 30.6 L、Vi = 0.018 L、P = 101.325 J/L·atmです。したがって、仕事W = 1.00 atm × (30.6 L – 0.018 L) × 101.325 J/L·atm ≈ 3100 Jです。

最終的な内部エネルギーの変化は、気化熱40.6 kJ + 仕事3100 J = 40600 J + 3100 J = 43700 Jです。

まとめ:物理問題を解くためのアプローチ

これらの問題では、エネルギー保存の法則に基づいて物体の内部エネルギーの変化を計算する必要があります。また、気体の膨張や物質の状態変化についての知識も重要です。各問題のステップを正確に踏んで解くことで、物理の理解が深まります。

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