線形代数の問題解説: 線形変換Tが可逆でないときのkの値を求める方法

大学数学

線形代数の問題で、線形変換T: R3 → R3 が可逆でないときの定数kの値を求める問題について解説します。問題の中で与えられた条件を使って、線形変換が可逆でない条件を満たすkの値を求める方法を具体的に解説していきます。

1. 問題の整理

問題では、線形変換TがR3からR3への写像であり、次の条件を満たしています。

  • T(1,1,-1) = (3,2,-4)
  • T(1,-2,1) = (k,-3,6)
  • T(3,-1,-2) = (5,-2,k)

また、線形変換Tが可逆でないときにkの値を求めることが求められています。

2. 線形変換が可逆でない条件

線形変換が可逆でないということは、対応する行列の行列式が0であることを意味します。行列式が0である場合、線形変換は単射でも全射でもなくなり、従って可逆ではありません。

この問題では、Tが与える行列を使って行列式を求め、その行列式が0となる条件を求める必要があります。

3. 行列を使って解く

まず、与えられたベクトルT(1,1,-1), T(1,-2,1), T(3,-1,-2)を行列の列ベクトルとして並べることで、線形変換Tに対応する行列を作成します。

行列T =
[[3, k, 5], [2, -3, -2], [-4, 6, k]]

次に、この行列の行列式を求めます。行列式が0になるようなkの値を求めることが目標です。

4. 行列式の計算

この3×3行列の行列式を計算すると、次のような式が得られます。

det(T) = 3((-3)(k) – (-2)(6)) – k((2)(k) – (-4)(-2)) + 5((2)(6) – (-3)(-4))

これを計算し、展開すると次のような式になります。

det(T) = 3(-3k + 12) – k(2k – 8) + 5(12 – 12)

det(T) = -9k + 36 – k(2k – 8) + 0

det(T) = -9k + 36 – 2k^2 + 8k

det(T) = -2k^2 – k + 36

これが行列Tの行列式です。

5. 行列式が0になる条件を求める

行列Tが可逆でないためには、行列式が0である必要があります。したがって、det(T) = 0と置いて式を解きます。

-2k^2 – k + 36 = 0

この2次方程式を解くと、kの値を求めることができます。解の公式を使って解くと。

k = (-(-1) ± √((-1)^2 – 4(-2)(36)))/(2(-2))

k = (1 ± √(1 + 288))/(-4)

k = (1 ± √289)/(-4)

k = (1 ± 17)/(-4)

したがって、kの解はk = -4 または k = 9です。

6. 結果の確認とまとめ

したがって、kの値は-4または9です。この2つの値において、行列Tの行列式が0となり、線形変換Tが可逆でなくなります。

このように、線形変換が可逆でない条件を使って、kの値を求める方法は行列式を求めて、それが0になるようなkを解くことです。問題を解くためには、行列式の計算をしっかり行い、その結果を元に解を求めることが大切です。

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