この問題では、Snの部分群HとKについて考え、Kがクラインの4元群Qと同型であることを示す問題です。特に、Kが(1,2)と(3,4)で生成されるSnの部分群であることから、対応(x, y)を使って同型写像f: K → Qを構成し、KがQと同型であることを証明します。
クラインの4元群Qとは
クラインの4元群Qは、4つの元を持つ群で、構造としては2つの位数2の元が生成する群です。通常、Q = {e, x, y, xy}という形で表され、ここでeは単位元、xとyは位数2の元で、xyはxとyの積を意味します。この群の性質を理解することが、同型を示すための第一歩です。
K群の構造
Kは(1,2)と(3,4)で生成されるSnの部分群です。この群Kは、次のような元を含みます。
- (1,2)、(3,4):それぞれ2つの要素を交換する置換
- (1,2)(3,4):これら2つの交換を組み合わせた置換
- e:単位元
したがって、Kは4つの元を持つ群であり、これらの元の演算によって構成されます。
同型写像f: K → Qの構成
KをQに同型に写像するために、次の対応を定めます。
- (1,2) → x
- (3,4) → y
- (1,2)(3,4) → xy
- e → e
この対応が同型写像となることを示すためには、群の演算が保たれることを確認します。具体的には、Kの元の積がQの元の積と一致することを確認します。
群演算の確認
まず、(1,2)と(3,4)の積を考えます。Kにおいて、(1,2)(3,4)という元は、Qにおいてはxyに対応します。また、(1,2)と(1,2)(3,4)の積は(3,4)に対応し、これがQの演算でも一致します。このように、各元に対して群演算が保たれていることを確認できるので、fは群の同型写像であると言えます。
まとめ
KとQの間に同型写像fが存在することが確認できたため、Kはクラインの4元群Qと同型であると結論できます。この問題を通じて、群の同型写像を使って群の構造を理解し、異なる群がどのように同じ性質を持つかを学ぶことができました。
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