この問題ではコーシーの積分公式を使用して、複素積分を解く方法について説明します。積分の問題は、積分路や関数の性質に注意を払う必要があるため、ステップバイステップで解法を示します。
1. 問題の設定
与えられた積分は次のように表されます。
∫c z³ / (z² + 1) dz (c: |z| = 2)
ここで、積分路 c は|z|=2の円周です。この積分を解くためには、コーシーの積分公式を適用します。
2. コーシーの積分公式の適用
コーシーの積分公式は、次のように表されます。
∫c f(z) dz = 2πi Σ Res(f, zk)
ここで、Res(f, zk) はf(z)のzkにおける留数です。問題の関数は f(z) = z³ / (z² + 1) であり、分母の z² + 1 の零点は z = i と z = -i です。これらが積分路 c 内に含まれているので、留数定理を使って解くことができます。
3. 留数の計算
まず、関数 f(z) = z³ / (z² + 1) の z = i と z = -i における留数を計算します。
留数は次のように求められます。
Res(f, i) = limz → i (z – i) f(z) = limz → i (z – i) z³ / (z² + 1) = limz → i z³ / (z + i)
z = i のとき、z³ = i³ = -i と z + i = 2i なので、Res(f, i) = (-i) / (2i) = -1/2 です。
同様に、z = -i のとき。
Res(f, -i) = limz → -i (z + i) f(z) = limz → -i (z + i) z³ / (z² + 1) = limz → -i z³ / (z – i)
z = -i のとき、z³ = (-i)³ = i と z – i = -2i なので、Res(f, -i) = i / (-2i) = -1/2 です。
4. 積分の計算
コーシーの積分公式を適用すると、積分の値は次のように計算できます。
∫c z³ / (z² + 1) dz = 2πi (Res(f, i) + Res(f, -i)) = 2πi (-1/2 + -1/2) = -2πi
5. まとめ
このように、コーシーの積分公式を使うことで、複雑な積分も簡単に計算することができます。積分路が円周であり、留数を計算することで積分の値を得ることができます。問題の解法は、まず関数の特異点を特定し、それに対応する留数を求めることから始めます。
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