この問題では、実部が u(x, y) = x^2 – y^2 の正則関数 f(z) を求める方法を解説します。正則関数の理論に基づき、u(x, y) と対応する v(x, y) を求め、最終的に f(z) の形を導き出します。
正則関数とは?
正則関数とは、複素関数のうち、定義された領域で微分可能な関数を指します。複素関数 f(z) は、実部 u(x, y) と虚部 v(x, y) から成り立っています。u と v がともに連続的に微分可能である場合、f(z) は正則関数です。したがって、u(x, y) と v(x, y) が共にコーシー・リーマンの方程式を満たす必要があります。
問題のアプローチ
与えられた問題では、u(x, y) = x^2 – y^2 が与えられています。この u(x, y) に対応する虚部 v(x, y) を求める必要があります。コーシー・リーマンの方程式を使って、v(x, y) を導き出します。
コーシー・リーマン方程式は、次のように表されます。
- ∂u/∂x = ∂v/∂y
- ∂u/∂y = -∂v/∂x
まず、u(x, y) = x^2 – y^2 の偏微分を行います。
コーシー・リーマン方程式の適用
u(x, y) = x^2 – y^2 の偏微分を計算すると。
- ∂u/∂x = 2x
- ∂u/∂y = -2y
次に、コーシー・リーマン方程式を使って、v(x, y) を求めます。
∂u/∂x = ∂v/∂y から、∂v/∂y = 2x となります。これを積分すると。
v(x, y) = 2xy + g(x)
ここで g(x) は x のみの関数です。次に、∂u/∂y = -∂v/∂x を使います。
-2y = -∂v/∂x から、∂v/∂x = 2y となります。これを積分すると。
v(x, y) = y^2 + h(y)
ここで h(y) は y のみの関数です。
v(x, y) の最終的な形
v(x, y) の x と y の関数が求まりました。積分した結果、v(x, y) = 2xy の項が一致しているため、g(x) と h(y) は定数項として無視できます。
したがって、v(x, y) = 2xy となり、正則関数 f(z) は次のように表せます。
f(z) = u(x, y) + jv(x, y) = (x^2 – y^2) + j(2xy)
結論
正則関数 f(z) は、u(x, y) = x^2 – y^2 と v(x, y) = 2xy を使って、f(z) = x^2 – y^2 + j2xy の形になります。このように、コーシー・リーマン方程式を使って、実部から虚部を導き出し、最終的な正則関数を求めることができます。
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