SPSSにおけるペアごとの比較と有意確率の解釈

SPSSを使った統計分析で「ペアごとの比較」の結果が表示される際に、有意確率（p値）が.001と表示されている場合があります。しかし、その表示に<がついていない場合、どのように解釈すべきか悩むことがあるかもしれません。この記事では、SPSSの有意確率の解釈方法と、<がついていない場合について詳しく解説します。

有意確率（p値）とは？

まず、p値とは、統計的仮説検定において得られたデータが、帰無仮説（特に効果がないとする仮説）に従って得られる確率を示す値です。p値が小さいほど、帰無仮説が正しいという仮定のもとで得られる確率が低いため、結果が有意であると判断されます。

一般的に、p値が0.05未満であれば有意な結果として扱われますが、さらに厳しい基準（例えば0.01や0.001）を設定する場合もあります。

SPSSで表示される有意確率の意味

SPSSでは、分析結果としてp値が表示されます。例えば、p値が.001と表示された場合、この値は「0.001」という意味であり、帰無仮説が正しいとした場合に得られる確率が0.1%であることを示しています。このような小さいp値は、結果が非常に有意であることを意味します。

また、SPSSでは通常、p値の前に<が付く場合があります（例：<.05）。これは、p値がその数値より小さいことを示しています。たとえば、「<.05」と書かれていれば、p値は0.05未満であることを意味します。

質問にある「<がついていない場合は有意ではないのか？」という疑問についてですが、これは誤解を招きやすい点です。実際には、<が付いていない場合でも、p値が0.05以下であれば、結果は有意と見なされます。

「<」が付いていない場合、単にそのp値が指定された閾値（例えば0.05）より小さいか等しいという意味です。従って、p値が0.05未満であれば、有意であることに変わりはありません。

統計的有意性とその重要性

統計的有意性は、研究の結果が偶然ではなく、実際に何らかの効果があることを示すために重要です。しかし、p値が0.05未満であるからといって、必ずしもその結果が実際に重要であるとは限りません。統計的有意性は、効果の大きさや実務的な意義と合わせて評価されるべきです。

そのため、SPSSの結果を解釈する際には、p値だけでなく、効果量や信頼区間なども考慮することが重要です。

まとめ

SPSSのペアごとの比較における有意確率（p値）の解釈について、p値が.001という表示は、結果が非常に有意であることを示しています。また、<がついていない場合でも、p値が指定された閾値未満であれば、有意と解釈できます。統計分析を行う際には、p値だけでなく他の指標も合わせて結果を評価することが大切です。