汚泥活性法の運用において、DO(溶存酸素濃度)の変化は、微生物の活性や水質管理における重要な指標です。質問の内容に関して、DOの変動と微生物数の関係について、実際の状況と理論を踏まえて解説します。
DOと微生物の関係
DOは、汚泥活性法における微生物の活動に密接に関連しています。微生物は有機物を分解する際に酸素を消費し、その結果としてDOが低下します。一般的に、微生物数が多ければ、酸素の消費量も増加し、DOが低くなる傾向にあります。
一方で、水温が高いと酸素の溶解度が低下するため、DOが低くなることもあります。これは水中に溶け込む酸素の量が減少するためです。
DOが上昇する理由
質問にあるように、微生物の数が少ない場合、DOが上昇することがあります。これは、微生物が酸素を消費する量が少ないため、DOが高く維持されるからです。
DOが上昇する原因として、もう一つ考えられるのは、曝気(エアレーション)の強化や通気の改善です。曝気槽内の酸素供給が増えることで、溶存酸素濃度が上昇することがあります。
爆気槽の変化について
質問の中で挙げられている爆気槽(a槽、b槽、c槽、d槽、e槽)のDOの変化についてですが、a槽やb槽のDOが増加している一方で、c槽は若干の減少を見せています。これらの変化は、曝気の強度や微生物活動の変動に関連している可能性があります。
例えば、b槽のDOが2.0から4.0に増加している場合、曝気量が増加した可能性があります。逆に、c槽でDOが4.2から4.0に少し減少している場合、微生物活動の変化や曝気不足などが影響していることがあります。
MLSSの影響
MLSS(混合液の浮遊汚泥濃度)は、汚泥活性法において微生物の量を示す重要な指標です。質問にあるように、MLSSの変化がないということは、微生物の数に大きな変動がないことを示唆しています。したがって、DOの変化は、主に曝気条件や水質の変動に関連している可能性が高いです。
MLSSが安定している場合でも、微生物の活動には変動があり、DOが変化することがあります。例えば、温度の変化や外部からの有機物供給量の変動によって、微生物の活性が一時的に変化し、DOに影響を与えることがあります。
まとめ
DOの変化は、汚泥活性法の運用において重要な指標であり、微生物数の変動や曝気条件、水温などが影響を与えます。質問にあるように、DOが上昇している場合、微生物数が少ないことが一因である可能性もありますが、曝気や水質条件なども考慮する必要があります。安定した運用を行うためには、DOとMLSSの動向を定期的にモニタリングし、適切な調整を行うことが重要です。
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