『伊勢物語』の初冠に登場する一文、「ついでおもしろきことともや思ひけむ」について、その中の「けむ」の品詞に関して疑問が生じています。過去推量と過去の原因推量のどちらで解釈するのが適切なのかについて考察していきます。特に、学校で教わった過去推量の解釈が気になる方や、他の参考書やサイトで見解が分かれていることに悩んでいる方に向けて、わかりやすい解説を行います。
1. 「けむ」の意味と用法
まず、「けむ」という言葉がどのような意味で使われているかを理解することが重要です。「けむ」は、古典文学における助動詞の一つで、過去推量の意味を持つ場合と、過去の原因推量の意味を持つ場合があります。この二つの意味の違いをしっかりと把握することで、解釈の違いが見えてきます。
2. 過去推量としての解釈
過去推量として「けむ」を解釈する場合、これは「~だっただろう」という意味合いになります。つまり、「ついでおもしろきことともや思ひけむ」は、「おもしろいことだろうと思った」という意味になります。この解釈では、過去にそのように考えていたという推測が含まれます。
3. 過去の原因推量としての解釈
一方、過去の原因推量として解釈する場合、「けむ」は「~した原因があっただろう」という意味合いになります。この解釈では、「おもしろいことだろうと思った原因があった」というニュアンスになります。つまり、何か特定の原因や理由でそのように思ったのだろう、という意味が強調されます。
4. どちらの解釈が適切か?
この二つの解釈について、どちらが適切かは文脈による部分が大きいですが、一般的には過去推量として解釈されることが多いです。なぜなら、伊勢物語においても、「けむ」がそのように使われることが多く、特に情感や推測が重視される場面では、過去推量の意味合いが自然に受け入れられることが多いからです。
5. まとめ
「ついでおもしろきことともや思ひけむ」の「けむ」に関する解釈は、過去推量として理解するのが一般的であるとされています。しかし、過去の原因推量として解釈することも可能であり、その解釈には文脈の読み取りが重要です。自分なりの解釈をしっかりと持ちつつ、文学作品の多義性を楽しむことが大切です。
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