過マンガン酸カリウム(KMnO4)とシュウ酸(H2C2O4)を硫酸酸性で反応させると、酸化還元反応が起こります。この記事では、この反応の化学反応式の立て方を解説し、実際の反応式を示します。
過マンガン酸カリウムとシュウ酸の反応の概要
過マンガン酸カリウム(KMnO4)は、強い酸化剤として知られています。一方、シュウ酸(H2C2O4)は還元剤として働きます。硫酸酸性条件下でこれらが反応すると、過マンガン酸カリウムのMn(VII)がMn(II)に還元され、シュウ酸が酸化されて二酸化炭素(CO2)が生成します。
反応の進行において、過マンガン酸カリウムはMnO4-(過マンガン酸イオン)として存在し、シュウ酸はC2O4²-(シュウ酸イオン)として存在します。これらの化学種が酸化還元反応を通じて変化します。
化学反応式の立て方
化学反応式を立てる際は、まず反応物と生成物を確認し、酸化数の変化を見ます。過マンガン酸カリウムのMnは酸化数+7から+2に還元されます。一方、シュウ酸は炭素が酸化されて二酸化炭素(CO2)になります。
次に、酸化還元反応における電子の移動を考慮して、反応式を調整します。シュウ酸の還元剤としての役割を明確にし、過マンガン酸カリウムの酸化剤としての役割を理解することが重要です。
実際の反応式
過マンガン酸カリウムとシュウ酸の反応式は以下のようになります。
2 KMnO4 + 5 H2C2O4 + 6 H2SO4 → 2 MnSO4 + 10 CO2 + 8 H2O + K2SO4
この反応では、過マンガン酸カリウムがMn(II)としてMnSO4を生成し、シュウ酸が酸化されて二酸化炭素(CO2)を放出します。また、反応は硫酸を用いて酸性条件下で進行します。
化学反応式のバランス調整
反応式のバランス調整においては、各元素の数が反応前後で一致するように調整します。酸化還元反応では、電子の移動も考慮して、酸化剤と還元剤の電子数が一致するようにバランスを取ることが大切です。
また、反応の過程では水や二酸化炭素が生成物として出てくるため、これらを反応式に適切に組み込む必要があります。
まとめ
過マンガン酸カリウムとシュウ酸の反応は、酸化還元反応の良い例です。硫酸酸性下で反応が進行し、過マンガン酸カリウムはMn(II)に還元され、シュウ酸は二酸化炭素に酸化されます。反応式を立てる際は、酸化数の変化や電子の移動を意識して、正確にバランスを取ることが重要です。
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