IV線とVVF線の許容電流の違いについて解説

工学

電線の選定において許容電流は重要な要素ですが、同じ太さの線でも、IV線とVVF線で許容電流に違いがあります。例えば、IV線2.0mm²では許容電流が35Aなのに対し、VVF2.0mm²の2芯の場合は23Aとなっています。なぜこれらに違いが生じるのか、今回はその理由を解説します。

IV線とVVF線の違い

まず、IV線とVVF線はそれぞれ異なる構造を持っています。IV線は絶縁体が1層のものや、耐熱性の高い素材で作られた線で、一般的には耐熱性や引張強度が高いという特徴があります。これに対して、VVF線は2芯の絶縁線で、住宅などの配線に広く使われており、通常は柔軟性や取り扱いやすさを重視しています。

許容電流の定義と影響要因

許容電流とは、電線が安全に電気を通せる最大の電流を指します。許容電流が低いと過熱の原因となり、火災や設備の故障を引き起こす可能性があります。電線の許容電流は、主にその構造や素材、絶縁体の種類、電線の配置(空気中か、地中かなど)、温度などによって影響されます。

IV線の高い許容電流

IV線は、基本的に耐熱性や絶縁体の強度が高いため、同じ断面積でも許容電流が高く設定されています。IV線は硬くて断面積が安定しており、より高い電流を流せることが特徴です。特に、住宅やビルで使用される大規模な配線での使用が適しています。

VVF線の許容電流が低い理由

VVF線の許容電流がIV線より低い理由は、主にその構造にあります。VVF線は2芯であり、柔軟性を重視するため、IV線と比べて耐熱性や絶縁性が少し劣ります。また、柔軟性を持たせるために絶縁体が複数層構造になっているため、熱が逃げにくく、過熱しやすくなることがあります。このため、許容電流が少し低く設定されています。

まとめ

IV線とVVF線では、許容電流に違いがありますが、これはそれぞれの電線の構造や使用目的、絶縁体の種類によるものです。IV線は高い耐熱性と強度を持っており、許容電流が高くなりますが、VVF線は柔軟性が重視されているため、許容電流が若干低く設定されているのです。使用環境や目的に応じた電線の選定が重要です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました