多重円盤型脱水機を使用した脱水プロセスで、ゲル状や餅状態、ベチョベチョ状態の不完全な脱水が発生することがあります。これにはいくつかの要因が考えられ、特に凝集剤や原水の性質が影響を与える可能性があります。この記事では、これらの問題の原因と改善策について解説します。
1. 凝集剤の影響
脱水不良の主な原因の一つは、使用している凝集剤の影響です。PAC(ポリ塩化アルミニウム)やカチオン型凝集剤が適切に機能していない場合、汚泥が十分に凝集せず、脱水が難しくなることがあります。また、苛性ソーダが加わることで、凝集作用が強化される一方で、過剰に使用されると逆に脱水の効率が低下する場合があります。
この場合、凝集剤の濃度や種類、また投与量の調整が重要です。過剰な凝集剤が原因でゲル状態や餅状態になる場合があるため、最適なバランスを見つけることが求められます。
2. 原水の入りの変化による影響
原水の入り(流入水質)の変化も、脱水プロセスに大きな影響を与える可能性があります。特に、原水中の固形物の含有量や化学的な成分が異なると、凝集の過程に影響を与え、脱水が不十分になることがあります。原水の性質が不安定な場合や、急激な変化がある場合には、脱水効率が低下し、ベチョベチョの状態が続くことがあります。
原水の品質や流入速度を一定に保つための管理が必要です。また、原水を事前に分析し、適切な凝集剤の選定と調整を行うことが脱水不良を防ぐための重要な対策です。
3. 脱水機の調整と改善策
多重円盤型脱水機の調整も、脱水不良の原因となることがあります。例えば、回転速度や圧力設定が適切でないと、脱水がうまく進まないことがあります。脱水機の効率を最大限に引き出すためには、これらのパラメータを細かく調整する必要があります。
また、脱水機のメンテナンスも重要です。定期的な清掃や部品の交換を行うことで、脱水機の性能を維持し、不完全な脱水の原因を排除することができます。
4. まとめ
多重円盤型脱水機での脱水不良には、凝集剤の使用不適切、原水の入りの変動、そして脱水機の調整不足が主な原因として挙げられます。これらの問題を解決するためには、凝集剤の種類や投与量の最適化、原水の品質管理、脱水機のパラメータ調整などを行い、脱水効率を高めることが重要です。また、定期的なメンテナンスを行い、脱水機の性能を維持することも不可欠です。
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