衝突問題の解答: 反発係数と力学的エネルギーの計算方法

物理学

物体が衝突したとき、どのようにその後の速度やエネルギーが変化するのかを計算することは物理学で重要なテーマです。特に、反発係数が関わる問題では、衝突後の速度と力学的エネルギーの変化を求める方法が問われます。この記事では、与えられた問題を解くための計算方法を解説し、反発係数がどのように影響するのかについて説明します。

問題の設定

まず、問題の設定を確認しましょう。質量0.10kgの物体Aが右向きに速さ4.0m/sで、質量0.15kgの物体Bが左向きに速さ2.0m/sで進んでおり、両物体は正面衝突します。衝突後の速度と失われた力学的エネルギーを求める問題です。ここでは、反発係数がe=0.50とe=1の場合を考えます。

衝突の基礎公式とエネルギー保存

衝突後の速度を求めるためには、運動量保存則とエネルギー保存の法則を使用します。運動量保存則によれば、衝突前後でシステムの運動量の総和は変わらないとされています。

運動量の式は次のように表せます。

m₁v₁ + m₂v₂ = m₁v’₁ + m₂v’₂

ここで、m₁、m₂はそれぞれ物体Aと物体Bの質量、v₁、v₂は衝突前の速度、v’₁、v’₂は衝突後の速度です。また、反発係数eは次の式で表されます。

e = (v’₂ – v’₁) / (v₁ – v₂)

(1) 反発係数 e = 0.50 の場合

反発係数e = 0.50の場合、運動量保存則と反発係数の式を使って、衝突後の速度を求めます。まずは運動量保存則からv’₁とv’₂を求め、次に反発係数を使って解きます。

計算手順は次の通りです。

  • 運動量保存の式を使ってv’₁とv’₂を表す。
  • 反発係数の式を使ってv’₁とv’₂の関係を求める。
  • これらの式を連立して、v’₁とv’₂を求める。

このようにして、衝突後の物体Aと物体Bの速度を計算できます。

(2) 反発係数 e = 1 の場合

反発係数e = 1の場合は完全弾性衝突を示します。この場合、運動量保存則に加えて、衝突前後でのエネルギーの損失がないことを意味します。エネルギー保存の式を用いて、衝突後の速度を計算します。

反発係数e = 1の条件では、物体の速度は次のように求められます。

  • 運動量保存の式を再度使用してv’₁とv’₂を計算。
  • エネルギーの保存を確認して、衝突後のエネルギー損失がゼロであることを確かめます。

衝突による力学的エネルギーの損失

衝突後に失われる力学的エネルギーは、衝突前の運動エネルギーと衝突後の運動エネルギーの差として計算できます。運動エネルギーは次の式で求められます。

KE = (1/2)mv²

衝突によって失われたエネルギーは、次のように計算できます。

ΔE = KE₁ – KE₂

まとめ:反発係数と衝突後の計算方法

反発係数eが0.50のときと1のときで、衝突後の速度と力学的エネルギーの変化は異なります。e=0.50の場合は部分的なエネルギー損失があり、e=1の場合は完全弾性衝突が起こり、エネルギー損失はありません。運動量保存とエネルギー保存の法則を用いることで、衝突後の挙動を正確に予測することができます。

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