高校数学の問題「0≦θ≦2π の範囲で、不等式 sin(2θ) – √3cos(2θ) ≦ √3 を解け」について解説します。三角関数の合成を使う方法と、その後の解法の手順を分かりやすく説明していきます。
問題の理解と合成のアプローチ
まず、問題文の不等式 sin(2θ) – √3cos(2θ) ≦ √3 を見てみましょう。この式は、三角関数の合成を使うことで、もっと簡単に扱うことができます。具体的には、sin(2θ) と cos(2θ) の係数を使って、1つの三角関数にまとめることができます。
合成のために、式 sin(2θ) – √3cos(2θ) を以下のように合成します。
Rsin(2θ + α) の形に変換することができます。ここで、R と α は適切に求めるべき定数です。
三角関数の合成方法
sin(2θ) – √3cos(2θ) を Rsin(2θ + α) の形にするために、次のように計算します。
- Rsin(2θ + α) = R[sin(2θ)cos(α) + cos(2θ)sin(α)]
- これを元の式と比較すると、係数が次のように一致します:
- Rcos(α) = 1
- Rsin(α) = -√3
- 2θ – π/3 = π/3 の場合、2θ = 2π/3 なので、θ = π/3
- 2θ – π/3 = 2π/3 の場合、2θ = 3π/3 なので、θ = π/2
- さらに、2θ – π/3 = 4π/3 の場合、2θ = 5π/3 なので、θ = 5π/6
- 2θ – π/3 = 5π/3 の場合、2θ = 6π/3 なので、θ = π
この連立方程式を解くと、R = 2, α = -π/3 となります。
不等式の解法
ここまでで、sin(2θ) – √3cos(2θ) = 2sin(2θ – π/3) という形に変換できました。
したがって、不等式は次のように書き換えられます。
2sin(2θ – π/3) ≦ √3
この不等式を解くために、両辺を2で割って、次のようになります。
sin(2θ – π/3) ≦ √3 / 2
sin(2θ – π/3) の値が √3 / 2 になるとき、θ の値を求めることができます。
解の範囲を求める
sin(2θ – π/3) ≦ √3 / 2 となる θ の範囲を求めます。まず、sin(2θ – π/3) = √3 / 2 の解を求めます。sin(θ) = √3 / 2 となる角度は、θ = π/3, 2π/3 です。
したがって、2θ – π/3 = π/3 または 2θ – π/3 = 2π/3 となります。これらの式を解くことで、θ の値を求めることができます。
具体的には。
これらの解をまとめると、θ の範囲は 0 ≦ θ ≦ π および π ≦ θ ≦ 2π の間で求められます。
まとめ
この問題では、まず三角関数の合成を利用して式を簡単にし、その後、不等式を解くことでθ の範囲を求めました。合成を用いることで、三角関数の複雑な形を単純化し、解きやすくすることができます。最終的な解は、θ の範囲として 0 ≦ θ ≦ 2π の間で解が求められます。
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