複素数の極形式は、z = r(cosθ + isinθ)として表されます。この式において、θは「偏角」と呼ばれ、実軸からの角度として定義されます。質問者の方が抱えている疑問は、この偏角を「実軸からの偏角」以外で、場合分けせずに定義する方法についてです。この記事では、複素数の偏角を求める際に場合分けなしで定義する方法について解説します。
複素数の極形式と偏角の基本的な定義
複素数 z = x + iy を極形式で表すと、z = r(cosθ + isinθ) となります。ここで、r は複素数の絶対値(モジュラス)、θ は偏角(arg(z))です。θは複素数zの位置により、実軸との角度で定義されます。
実軸からの偏角は通常、三角関数の逆関数(アークタンジェント)を使用して求められますが、問題はこのアークタンジェントを場合分けなしでどう定義するかです。
アークタンジェントの問題とその解決方法
複素数の偏角を求める際、通常はx > 0とx < 0の場合で場合分けします。これが一般的な方法ですが、この場合分けなしで偏角を求めるためには、単にy/xを使った単純な計算では不十分です。なぜなら、逆アークタンジェント(arctan)はx軸の右側だけで定義されるため、x < 0の場合においては別の補正が必要です。
この場合分けなしでの解法は、アークタンジェントの結果を自動的に補正する方法に頼ります。具体的には、四象限全てをカバーするアークタンジェント関数(atan2)を使用します。atan2(y, x)は、x軸との角度を求める際に正しい象限を自動で判断します。
atan2関数による解法
atan2(y, x)は、xとyの符号に応じて、θの値を適切に求める関数です。例えば、x > 0ならば、atan2はそのままarctan(y/x)を返し、x < 0の場合にはπを加えて計算します。これにより、正確に偏角が求められ、場合分けをしなくても正しい結果が得られます。
たとえば、複素数z = x + iyに対して、θ = atan2(y, x)とすれば、xとyの符号に応じた正しい偏角を得ることができます。
まとめ:場合分けなしで偏角を求める方法
複素数の偏角を場合分けなしで求めるには、アークタンジェント(atan)ではなく、atan2(y, x)関数を使用することが重要です。これにより、x軸との角度を自動で調整し、正しい結果を得ることができます。場合分けを避けて計算できるため、効率的で簡潔に偏角を求めることができます。
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