数学における命題の対偶を理解することは、論理的思考を深めるために重要です。特に「m+nが偶数ならば、m,nはともに偶数である」という命題において、対偶とその反例を理解することで命題の正確さや性質を確認することができます。今回は、対偶の考え方とその反例について解説します。
命題の理解:m+nが偶数ならば、m,nはともに偶数である
まず、元の命題を確認しましょう。「m+nが偶数ならば、m,nはともに偶数である」とは、mとnが整数で、mとnの和が偶数である場合に、mもnも偶数であるという命題です。
例えば、m = 2、n = 4の場合、m+n = 6は偶数ですが、m = 2、n = 3の場合、m+n = 5は奇数であり、この命題が適用されません。
対偶の定義と求め方
対偶とは、命題の前提と結論を逆にし、両方に否定を加えた命題のことです。命題「AならばB」に対する対偶は「BでないならばAでない」です。具体的には、元の命題が「m+nが偶数ならば、m,nはともに偶数である」場合、対偶は「m,nのいずれかが奇数であるならば、m+nは奇数である」となります。
対偶を求める際のポイントは、前提(m+nが偶数)の否定と結論(m,nはともに偶数)の否定をしっかりと組み合わせることです。
対偶の検証:m,nのいずれかが奇数ならば、m+nは奇数
では、対偶が正しいかどうかを確認しましょう。「m,nのいずれかが奇数ならば、m+nは奇数である」という命題は正しいです。実際に、m = 1、n = 2の場合、m+n = 3は奇数、m = 3、n = 4の場合、m+n = 7も奇数です。このように、mまたはnのいずれかが奇数であれば、m+nは必ず奇数になります。
反例:元の命題が偽である場合
次に、元の命題「m+nが偶数ならば、m,nはともに偶数である」が偽である場合の反例を考えます。この命題が偽であるためには、m+nが偶数であっても、mまたはnが奇数である場合が必要です。
例えば、m = 1、n = 3の場合、m+n = 4は偶数ですが、m = 1は奇数、n = 3も奇数です。この場合、m+nが偶数であるにもかかわらず、mとnが両方とも偶数でないため、元の命題は偽であることが分かります。
まとめ
「m+nが偶数ならば、m,nはともに偶数である」という命題の対偶は「m,nのいずれかが奇数であるならば、m+nは奇数である」となり、これは正しい命題です。しかし、元の命題は偽であり、その反例としてm = 1、n = 3の場合を挙げることができます。対偶と反例を理解することで、命題の真偽を確かめる手助けになります。
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