EVTにおけるv相接地の影響とその対策

工学

EVT(電圧変動トランス)の二次側接地は通常、o相(零相)を接地することが一般的です。しかし、v相(正相)を接地した場合、どのような影響があるのでしょうか。この記事では、v相接地が引き起こす可能性のある変化について解説し、計測機器の動作や地絡時の電圧、CLR(電流リミットリレー)の電流値への影響について詳しく説明します。

v相接地による計測機器への影響

通常、EVTはo相を接地してシステムの安定性を確保しています。v相を接地すると、計測機器や保護機器の挙動が変化する可能性があります。特に、二次電圧のバランスが崩れることがあり、これが計測機器に不安定な信号を与えることになります。

例えば、計測機器が適切に動作するためには、各相の電圧が所定のバランスを保つ必要があります。v相接地の場合、このバランスが崩れることにより、誤動作や不正確なデータが計測される可能性があります。

地絡時の二次電圧と三次電圧の変動

地絡時、通常はo相が接地されているため、地絡電流が安定して流れますが、v相接地の場合、地絡が発生した際に二次電圧や三次電圧の挙動が異なることがあります。特に、v相が接地されることにより、地絡電流が他の相に影響を与える可能性があり、二次電圧が大きく変動することがあります。

これにより、地絡時の保護が遅れる可能性があり、適切なトリップ動作を得ることが難しくなることがあります。v相接地の影響で、系統の安全性が低下する場合があるため、慎重な設定が必要です。

CLRの電流値への影響

CLR(電流リミットリレー)は、過電流が流れた場合に動作する保護装置です。v相接地を行った場合、CLRの設定値に影響を及ぼすことがあります。v相接地が原因で二次電流が変動すると、CLRが誤動作したり、期待される電流値を正確に計測できなかったりする可能性があります。

特に、CLRはシステム全体の負荷電流に基づいて設定されることが多いため、v相接地によって負荷の不均衡が生じると、CLRの動作に支障をきたす可能性が高くなります。このような場合、CLRの設定を見直す必要があるかもしれません。

v相接地を避けるための対策

v相接地による問題を回避するためには、通常通りo相を接地するのが最も効果的です。o相を接地することで、システム全体のバランスが保たれ、計測機器や保護機器が正しく動作することが確認されています。また、v相接地を行う場合には、システム全体の影響をよく理解し、必要な調整を行うことが求められます。

もしv相接地がどうしても必要な場合、適切な保護設定や、接地方式の再検討を行うことが重要です。例えば、地絡時の動作を確実にするための調整や、CLRの設定見直しが求められることがあります。

まとめ

v相接地は、通常のo相接地と比べていくつかのシステムに影響を与える可能性があります。計測機器の誤動作や地絡時の電圧の変動、CLRの誤動作が懸念されるため、v相接地を行う場合は慎重に計画を立て、適切な保護設定を行うことが重要です。適切な接地方式を選択し、システムの安全性を確保するための対策を講じることが求められます。

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