コンクリートの製造において、粗骨材の選定はワーカビリティーや単位水量に大きな影響を与えます。特に、最大寸法が大きい粗骨材を使用すると、必要な単位水量が少なくなるという認識がありますが、砕石と砂利での違いに関しては意外と複雑です。本記事では、砕石と砂利の特徴を踏まえ、粗骨材の総表面積と単位水量との関係について解説します。
粗骨材とワーカビリティーの関係
コンクリートのワーカビリティーを決定する要因の一つは、骨材の種類とその最大寸法です。最大寸法が大きければ、セメントペーストが少なくても済み、ワーカビリティーを維持できるとされています。骨材の総表面積が小さければ、セメントペーストの接する面積が少なくなり、その分水分を減らすことができます。これは理論的に、骨材の表面積と水分量の関係に基づいています。
一方で、粗骨材の種類によって、この理論がどのように作用するかは異なります。例えば、砕石と砂利を比較すると、同じ最大寸法でも、水分の必要量が異なることがわかります。
砕石と砂利の違いとその影響
砕石は一般に、砂利に比べて表面が粗く、ゴツゴツした形状をしています。このため、砕石の方が総表面積が大きくなり、接するセメントペーストも多くなるため、単位水量が増えることが多いです。これは、表面が不均一であるため、水分が保持されやすくなるためです。
対照的に、砂利は比較的滑らかな表面を持ち、粗骨材の総表面積が砕石よりも小さいため、接するセメントペーストの量が少なく、水分の必要量も減少する傾向があります。
単位水量は表面積で決まる
粗骨材の単位水量は、最大寸法だけではなく、その骨材の表面積にも大きく影響されます。単に「最大寸法が大きいから水量が少なくなる」と考えるのではなく、骨材の表面積が水分の必要量にどれだけ影響を与えるかを理解することが重要です。
実際のコンクリート製造において、表面積が大きい粗骨材(例えば砕石)の使用により、必要となる水量は増加することがあります。これに対し、滑らかな表面を持つ骨材(例えば砂利)では、単位水量が比較的少なくて済むため、作業性やワーカビリティーに影響を与えることがあります。
まとめ
コンクリートの単位水量は、最大寸法だけでなく粗骨材の表面積にも関係しており、砕石と砂利ではその特性が異なります。砕石は表面が粗く、総表面積が大きいため水分を多く必要とし、砂利は比較的滑らかで水分を少なくする傾向があります。このため、単位水量の調整には粗骨材の選定が重要であり、最大寸法とともに骨材の表面積を考慮することが求められます。
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