あわせ鏡の理論と無限の反射について

物理学

2025.06.10

あわせ鏡を使うと、無限に反射し合っているように見える現象が観察されます。実際に、あわせ鏡が理論的に無限に広がるのかという疑問について、物理的な観点から解説します。

あわせ鏡とは？

あわせ鏡とは、2つの鏡を向かい合わせて設置した状態です。このように設置された鏡同士は、反射を繰り返すため、無限に遠くまで続いているように見えます。実際には、物理的に無限に広がっているわけではなく、反射が繰り返されることで視覚的に無限のように感じるのです。

理論上、鏡の反射は無限に続くわけではありません。最初の反射は最も明確で、次第に反射光が弱まり、最終的には目に見えなくなります。これは光のエネルギーが次第に減少し、鏡の表面の不完全さや光の吸収が影響を与えるためです。

反射が「無限に続く」と感じるのは、目で見える範囲で光が次々に反射し続けるためです。ですが、物理的には光の強度が限られており、無限に続くことはありません。

視覚的に無限に見える理由は、あわせ鏡の配置と、反射が非常に多く行われるためです。鏡の表面が非常に平滑であれば、反射が繰り返されるたびに少しずつ角度がずれていき、無限に続くように見えるのです。

また、目で捉えることのできる範囲内で反射が繰り返されるため、反射された像が遠くまで続いているように錯覚することになります。

反射が無限に続くように見えるものの、実際には光のエネルギーは反射するたびに減少します。鏡の表面で光が吸収されるため、次第に反射が弱まり、最終的にはほとんど反射しなくなります。

また、空気中の微粒子や汚れなどが光の反射を妨げるため、無限に反射が続くことは理論的にも物理的にも不可能です。

あわせ鏡で無限に反射が続くように見える現象は視覚的な錯覚に過ぎません。実際には、光のエネルギーが減衰し、反射も次第に弱くなるため、物理的には無限に広がることはありません。それでも、あわせ鏡を使った反射は、非常に多くの反射が重なり合っているため、無限に続くように感じさせるのです。