高校数学Ⅱの微分の基本では、関数の導関数を定義に基づいて極限で求める練習がよく出題されます。今回は、f(x)=2x²−4x+3 における導関数 f’(3) を極限の式を用いて求める方法を解説します。
導関数の定義を確認しよう
導関数 f’(x) は、以下の極限を使って定義されます。
f’(x) = limh→0 [f(x+h) − f(x)] / h
つまり、「x に h を足したときの関数値と元の関数値の差を h で割り、その極限をとる」という考え方です。
今回の問題の設定
f(x) = 2x² − 4x + 3 が与えられていて、f’(3) を求めるという問題です。定義に当てはめていきます。
f’(3) = limh→0 [f(3+h) − f(3)] / h
では、この右辺を順番に計算していきましょう。
f(3+h)とf(3)を計算
まずは f(3+h) を計算します。
f(3+h) = 2(3+h)² − 4(3+h) + 3
= 2(9 + 6h + h²) − 4(3 + h) + 3
= 2(9 + 6h + h²) − 12 − 4h + 3
= 18 + 12h + 2h² − 12 − 4h + 3
= (18 − 12 + 3) + (12h − 4h) + 2h²
= 9 + 8h + 2h²
次に f(3) を計算します。
f(3) = 2×3² − 4×3 + 3 = 18 − 12 + 3 = 9
極限式に代入して整理
f’(3) = limh→0 [(9 + 8h + 2h²) − 9] / h
= limh→0 [8h + 2h²] / h
= limh→0 h(8 + 2h) / h
= limh→0 (8 + 2h)
h → 0 のとき、2h → 0 なので、
f’(3) = 8
答えとまとめ
このように、導関数の定義に従って f’(3) を計算すると、
答え:f’(3) = 8
導関数の定義式を使って、まず f(3+h) を正確に展開・整理し、f(3)との差をとって h で割る。その後に h→0 の極限を取るというのが手順です。微分の定義の意味を理解しながら手順を追うことが大切です。
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