2つのノルム空間の直積の共役空間が等距離同型である証明

大学数学

この問題では、2つのノルム空間 E1, E2 の直積空間 E1 × E2 の共役空間が、共役空間 E1′ と E2′ の直積に等距離同型であることを証明する方法を解説します。特に、ノルム ||(x1, x2)|| = √(||x1||^2 + ||x2||^2) と定義されている場合に焦点を当てます。

問題の整理と設定

まず、与えられた問題を整理します。E1 と E2 はノルム空間であり、E1 × E2 はその直積です。この直積空間の共役空間が、E1′ と E2′ の直積に等距離同型であることを示さなければなりません。

具体的には、f ∈ (E1 × E2)’ を固定し、次のように定義します。

  • x1′(x1) = f((x1, 0)) とおくと、x1′ は E1′ の元になります。
  • x2′(x2) = f((0, x2)) とおくと、x2′ は E2′ の元になります。
  • f((x1, x2)) = x1′(x1) + x2′(x2) となります。

等距離同型性の証明

この定義に基づき、E1 × E2 の共役空間と E1′ × E2′ の間の等距離同型性を示す必要があります。等距離同型性とは、ノルムが保存される線形同型であることを意味します。

まず、f が線形であることを確認します。f は、各成分の線形性に基づいて次のように分解できます。

f((x1 + y1, x2 + y2)) = f((x1, x2)) + f((y1, y2))

これにより、f は線形演算を満たすことが確認できます。

ノルムの保存の確認

次に、ノルムが保存されることを確認します。E1 × E2 のノルム ||(x1, x2)|| は √(||x1||^2 + ||x2||^2) です。したがって、f のノルムは次のように計算できます。

||f((x1, x2))|| = ||x1′(x1) + x2′(x2)|| = √(||x1′(x1)||^2 + ||x2′(x2)||^2)

これにより、f のノルムは E1′ と E2′ のノルムの直積として定義されたノルムに一致し、ノルムが保存されることが確認できます。

まとめ

以上の証明により、2つのノルム空間 E1 と E2 の直積空間 E1 × E2 の共役空間は、共役空間 E1′ と E2′ の直積に等距離同型であることが示されました。この証明では、線形性とノルムの保存の確認を通じて、等距離同型性が成り立つことを明らかにしました。

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