品種改良による発芽率の改善の有意性を検定する方法

植物

品種改良による発芽率の改善を判断するために、統計的検定を用いてその有意性を確認する方法を解説します。具体的なシナリオとして、従来の発芽率が80%であった種子を品種改良し、新しい種子で得られた発芽率を基に有意性を評価する問題を取り上げます。

1. 問題の設定と検定の目的

ここでは、従来の発芽率が80%であることを前提に、新しい品種の発芽率が改善されているかどうかを検定することが目的です。新しい種子を400個まいて、そのうち333個が発芽したという結果が得られています。この結果をもとに、品種改良による発芽率の改善が有意かどうかを調べます。

2. 仮説の設定

統計的検定を行うために、以下の仮説を設定します。

  • 帰無仮説 (H₀): 品種改良による発芽率の改善はない。すなわち、発芽率は80%である。
  • 対立仮説 (H₁): 品種改良による発芽率は改善された。すなわち、発芽率は80%以上である。

3. 検定統計量の計算

発芽率のデータに基づいて、検定統計量を計算します。新しい種子の発芽率は、333個の発芽した種子を400個で割ったものです。これに基づいて、次の計算を行います。

新しい発芽率 = 333 / 400 = 0.8325

この発芽率が、従来の発芽率80%(0.80)と異なるかどうかを検定します。使用する検定方法は、二項分布を基にしたz検定です。

4. z検定の実行

z検定の公式を用いて、検定統計量zを計算します。z値は次の式で求められます。

z = (p̂ – p₀) / √(p₀(1 – p₀) / n)

ここで、p̂は新しい発芽率(0.8325)、p₀は従来の発芽率(0.80)、nはサンプル数(400)です。

z = (0.8325 – 0.80) / √(0.80 * 0.20 / 400) = 0.0325 / 0.0224 ≈ 1.45

5. 結果の解釈

z値が1.45となったため、有意水準5%で片側検定を行うと、z値が有意水準を超えていないことが分かります。一般的に、z値が1.96以上の場合に帰無仮説を棄却できますが、今回は1.45という値であるため、帰無仮説を棄却できません。

したがって、品種改良による発芽率の改善は統計的に有意ではないと判断されます。つまり、現時点では発芽率の改善が証明されたわけではないということです。

6. まとめ

今回の問題において、品種改良による発芽率の改善を確認するためにz検定を用いましたが、結果的には有意な改善は見られませんでした。このような検定を通じて、仮説を検証することが可能となります。もし、さらに詳細なデータや別の方法を用いて再度検定を行えば、異なる結果が得られる可能性もあります。

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