鉄分は私たちの健康に欠かせない栄養素ですが、その中でも「鉄」と「ヘム鉄」には重要な違いがあります。今回は、鉄とヘム鉄の違いや、どちらが体にどのように影響を与えるのかについて詳しく解説します。
鉄とヘム鉄の基本的な違い
鉄(鉄分)は、体に必要なミネラルで、赤血球を作るのに必要不可欠な要素です。鉄には2種類があり、それぞれが体に異なる影響を与えます。一般的な「鉄」とは、植物やサプリメントに含まれる非ヘム鉄のことを指します。一方、「ヘム鉄」は動物性食品に含まれる鉄で、ヘモグロビンという物質に結びついている鉄分のことです。
ヘム鉄は、肉や魚に含まれ、体内での吸収率が高いとされています。非ヘム鉄は、主に植物性食品(例えば、ほうれん草や豆類)に含まれ、吸収率はヘム鉄よりも低くなります。
吸収率の違い
ヘム鉄は、非ヘム鉄に比べて体内での吸収率が高い特徴があります。ヘム鉄は、血液中のヘモグロビンやミオグロビンに含まれており、体が必要とする鉄分を効率よく取り入れやすくなっています。具体的には、ヘム鉄の吸収率は15%〜35%程度とされ、非ヘム鉄の吸収率は1%〜10%程度です。
そのため、鉄分が不足しがちな場合、ヘム鉄を多く含む動物性食品(赤身肉や鶏肉、魚など)を摂取することが、鉄分補充の効率を高めることができます。
体への影響と健康効果
ヘム鉄は、吸収率が高いだけでなく、体内での利用効率も優れています。これに対して非ヘム鉄は、吸収が低いため、同じ量を摂取しても効果が出るまでに時間がかかることがあります。
鉄分が不足すると、貧血や疲労感、免疫力の低下などの症状が現れることがあります。特にヘム鉄は、貧血予防に非常に効果的であり、動物性食品を摂ることで効率よく鉄分を補給できます。
非ヘム鉄の吸収を高める方法
非ヘム鉄の吸収を高めるためには、ビタミンCと一緒に摂取することが効果的です。ビタミンCは鉄の吸収を助けるため、非ヘム鉄が含まれる食品(例えば、野菜や豆類)を食べる際に、柑橘類やピーマン、トマトなどのビタミンCを豊富に含む食品を一緒に摂ることをおすすめします。
また、鉄分の吸収を妨げる物質(フィチン酸やタンニンなど)を含む食品(例えば、お茶やコーヒー)は、鉄を摂取する際には避けたほうが良いです。
まとめ
鉄とヘム鉄は、吸収率や体内での利用効率が異なります。ヘム鉄は動物性食品に多く含まれ、吸収率が高いため、効率的に鉄分を摂取することができます。非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれ、吸収を高めるためにはビタミンCと一緒に摂取することが効果的です。鉄分不足を防ぐために、バランスよく食事を摂ることが大切です。
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