pH計のキャリブレーションに必要な標準試薬の数と選び方

pH計のキャリブレーションにおいて、標準試薬は1つでも可能ですが、精度を高めるためには2つ以上の異なるpH値のバッファー溶液を使用することが推奨されています。特に、測定対象のpH範囲に応じた適切なバッファーを選択することが重要です。

pH計のキャリブレーションにおけるバッファー溶液の選択

一般的なpH計のキャリブレーションには、pH 4.00、7.00、10.00のバッファー溶液が使用されます。これらは、NIST（アメリカ国立標準技術研究所）認定の基準に基づいており、±0.01 pHの精度を持っています。これらのバッファーを使用することで、広範囲のpH測定に対応可能です。

2点キャリブレーションと3点キャリブレーションの違い

2点キャリブレーションでは、pH 7.00を基準点として、pH 4.00またはpH 10.00のいずれかを使用します。これにより、測定範囲が狭い場合でも十分な精度が得られます。一方、3点キャリブレーションでは、pH 4.00、7.00、10.00の3つのバッファーを使用し、より広範囲のpH測定に対応します。特に、pH 7.00を基準点として使用することで、測定の精度が向上します。

キャリブレーションの際の注意点

• バッファー溶液は新鮮なものを使用し、開封後は適切に保管してください。
• 使用するバッファーのpH値は、測定対象のpH範囲に合ったものを選択してください。
• 温度補正機能（ATC）がある場合でも、キャリブレーションと測定は同じ温度で行うことが望ましいです。
• キャリブレーション後は、電極を適切に洗浄し、乾燥させてから使用してください。

まとめ

pH計のキャリブレーションには、1つのバッファー溶液でも可能ですが、精度を高めるためには2点または3点キャリブレーションを行うことが推奨されます。特に、測定対象のpH範囲に応じた適切なバッファーを選択し、温度補正を考慮することで、より正確なpH測定が可能となります。