数学の問題でよく登場する二次不等式について、今回は「-x^2 + mx + m < 0」という不等式の解がすべての実数である場合の定数 m の範囲を求める問題について解説します。また、その中で「-1を掛けて x^2 - mx - m > 0 に変形してしまう理由」の誤りについても説明します。
二次不等式 -x^2 + mx + m < 0 の解法
まず、問題の不等式は -x^2 + mx + m < 0 です。この式の解がすべての実数であるということは、式のグラフが常に0より小さい(下に凸)という状態である必要があります。
この場合、解がすべての実数であるためには、二次式の判別式が負でなければなりません。判別式が負であれば、二次関数のグラフは x 軸と交わらないため、解が実数であることが保証されます。
判別式を使った解法の流れ
二次不等式 -x^2 + mx + m < 0 を解くために、まずは方程式として考えます。
-x^2 + mx + m = 0
この方程式の判別式 D は、以下のように求められます。
D = b^2 – 4ac
ここで、a = -1, b = m, c = m なので、判別式は次のようになります。
D = m^2 – 4(-1)(m) = m^2 + 4m
この判別式が負であるための条件は、次のように式を解くことができます。
m^2 + 4m < 0
この不等式を解くと、m < -4 または m > 0 という結果が得られます。
誤った計算:-1を掛けてしまう理由
質問者が述べたように、「-x^2 + mx + m < 0」に-1を掛けて「x^2 - mx - m > 0」に変形することが誤りです。理由は、式に負の符号を掛けることで不等式の向きが逆転してしまうからです。
式に-1を掛けると、不等式の向きが逆転することは非常に重要なポイントです。ここで式を変更すると、求める解が逆転してしまいます。したがって、-1を掛けることは正しい解法ではありません。
正しいアプローチ:判別式を使う
この問題を解くためには、判別式を使って解を求めることが重要です。判別式を正しく求め、解が実数となる条件を導き出すことで、m の範囲を正確に求めることができます。
最終的に、m < -4 または m > 0 の範囲が答えとなります。このように、数学の問題では不等式や方程式の操作において符号の扱いに注意することが非常に重要です。
まとめ
「-x^2 + mx + m < 0」の解がすべての実数であるときの定数 m の範囲を求める問題では、判別式を使用して解を導きます。不等式に-1を掛けることは不正確な方法であり、逆に解が逆転してしまいます。正しい方法で解を求め、m の範囲を特定することが解法のポイントです。
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