『晋書』巻二十六 食貨志の書き下し文

『晋書』巻二十六 食貨志に登場する次の文章の書き下し文を紹介します。この記事では、具体的な書き下し文とその解説を行います。

原文

嘉平四年，關中饑，宣帝表徙冀州農夫五千人佃上邽，興京兆、天水、南安鹽池，以益軍實。

書き下し文

嘉平四年、関中に飢饉が起こった。宣帝は表を出して、冀州の農夫五千人を上邽に移し、京兆、天水、南安の塩池を開発して、軍の実を増やすこととした。

解説

この文章は『晋書』における食貨志の一部であり、当時の食糧の確保や軍事力の補充に関連する政策を記録しています。「冀州の農夫五千人」というのは、農業の労働力としてその地域の農民を指し、他の地域への移住が行われた背景には飢饉による困窮と食料不足の解決策がありました。

また、「塩池を開発して」という部分は、塩の生産や供給を目的として新たな塩池の開発を行うことを意味しており、この措置によって軍の物資の補充が計画されたことがわかります。

関連する背景情報

嘉平四年は、晋の宣帝が治めていた時期で、彼の治世下で行われた改革や政策が多く記録されています。この時期における食糧問題や軍事支援策は、当時の政治経済の重要な課題となっていました。

また、関中や冀州、京兆、天水、南安といった地域名も歴史的に重要な地域であり、各地で行われた農業の拡充や物資供給が社会や軍事の安定に寄与していました。

まとめ

『晋書』巻二十六 食貨志における記録からは、当時の食糧確保や軍事支援策がどのように行われていたかが見て取れます。この書き下し文を通じて、当時の中国における行政の運営やその政策がどう実行されたかを理解することができます。